二日酔いの対策に漢方薬

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新年会、卒業式、入学式、歓迎会、結婚式、忘年会、送迎会、女子会、同窓会など、何かと仲間でつどい飲食を共にする日本文化。

楽しくてついつい飲みすぎてしまい、次の日に、頭痛、吐き気、倦怠感といった二日酔いでせっかくの休日が家でグダグダしてしまう、せっかくのデートが楽しめない、なんて経験はありませんか。

一番の対策は、自分の体質に見合った量のお酒を楽しく飲んでいただくことですが、飲みすぎた次の日でも、仕事に行かなくてはいけない時に「何かいい薬ないかな」という方におススメの漢方薬をご紹介します。

どうして二日酔いになるのか

アルコールの分解

エタノールを摂取すると胃及び腸から体内に急速に吸収されます。エタノールの代謝はまずアルコール脱水素酵素により酸化されて、アセトアルデヒドになります。

アセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素によって酢酸やアセチルCoAとなり、最終的に二酸化炭素と水に分解され体外へ排出されます。

二日酔いは、酢酸に分解される前のアセトアルデヒドによってもたらされる体の反応です。
その為、アルコールの量が多ければアセトアルデヒドの量も多くなるので二日酔いがひどくなるのです。

酔うとは

お酒を飲み続けると血液中のアルコール濃度が増えていきます。

血液中のアルコールが脳(大脳辺縁系から延髄)に回って、神経細胞に作用して麻痺させる結果、お酒に酔った状態となるのです。

お酒を飲むと、爽快感からはじまり、ほろ酔い気分、歩くとふらつくなどの酔っているなと思われる状態へと徐々に変化していきます。

さらに飲酒をして酩酊期と呼ばれる状態になると、小脳に麻痺がおこり知覚や運動神経が鈍り、何度も同じことをしゃべったり、吐き気、呼吸が早くなる、千鳥足といった状態へ変化します。

酩酊状態からまだ飲酒を続けると、記憶の中枢である海馬が麻痺してしまい泥酔期に移っていきます。ここまで行くとまともな会話ができず、一人では歩くこともできなくなります。

その先は、昏睡期と呼ばれ、場合によっては生命を脅かすとても危険な状態となります。

イラストAC

お酒はおいしく、楽しく、マナーを守って自分の適量をしっかり見極めて飲みましょう。
飲酒後の自動車の運転は違法です。

二日酔い対策の漢方薬

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

飲む前にのみ、飲みすぎた次の日の朝にも服用していただくとよい漢方薬は、黄連解毒湯という漢方処方です。

黄連(おうれん)
黄芩(おうごん)
黄柏(おうばく)
山梔子(さんしし)

の4種類の生薬で構成され、「清熱解毒薬(せいねつげどくやく)」に分類されます。熱毒と呼ばれるものを改善する働きがあり炎症を抑えていきます。

お酒を飲んだ状態、酔っている状態は体の中で熱毒が発生している状態となるので黄連解毒湯を服用すると熱毒を抑えてくれるので酔いにくく、二日酔いが発生しにくくなります。

黄連解毒湯は、皮膚病の治療や胃炎の治療にも使用されます。とても苦いお薬ですがとてもよく効く処方だと感じます。

余談ですが、50代の男性がお酒が弱くなったので何かないですかと相談に来たため黄連解毒湯を調合しました。1週間後とても良いということなのでまた作ってお渡し、そろそろまた来るかなと思った頃、その方の奥様からお電話を頂き「主人に漢方薬を渡さないでください、お酒がより増えて困っています」と相談されました。アルコール依存の方にはお勧めしてはいけない漢方薬であると学びました。

この漢方薬はあくまでも二日酔いを軽減する目的です。深酒をするために服用するものではありませんのでご注意を。

茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)

清熱利水(せいねつりすい)といって、熱を冷ましていくとともに、排尿によって体外へ早く排泄させる処方で、むくみやすい方・お酒を飲むと下痢をする方にお勧めです。

構成は、胆汁の分泌促進作用のある茵蔯蒿(いんちんこう)にむくみや下痢の改善で利水作用のある五苓散を組み合わせた処方です。

あまり一般的な処方でないので、薬局で販売していないところが多いかもしれません。

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

黄連解毒湯の中にも構成されている、黄連と黄芩が配合されている処方で、処方名にもなっている「半夏(はんげ)」が吐き気を抑える働きがあるため、二日酔いの吐き気に効果があります。

半夏瀉心湯は、黄連解毒湯の成分が入っていても分類が和解剤(わかいざい)と呼ばれるグループに入ります。

和解剤は、五臓間の調和、特に肝と脾の調和をして陰陽バランスを整えることを目的としています。

ストレスによって胃腸の調子が悪くなる、みぞおちがつかえた感じになるのは、肝と脾の調和が乱れた状態です。特に近年、逆流性食道炎で治療されている方が多いと聞きます。

漢方の考えでは、ストレスによる胃酸の過剰分泌は胃に問題があるのではなく、肝に問題が起こっていると考えますので、胃酸を中和したり・胃酸を抑える対症療法だけでは、問題の解決にはなりません。

おすすめ健康食品

お酒の分解は肝臓で行われます。漢方中医学でも五臓の「肝」が解毒や合成・分解を担っていると考えていますので、五臓の「肝」を元気にすることが二日酔い対策となります。

田七人参(でんしちにんじん)

田七人参は、中国の雲南省で採れるとても貴重な生薬です。

とても固い根の部分をしますので、粉末にして服用します。この生薬もとても苦味がありますが、お客様に人気のある健康食品です。

お酒が好きな方、メタボの方、脂肪が気になる方の健康管理におすすめです。
田七人参のご紹介

木鶏丹

イスクラ産業株式会社が製造販売している健康食品、チョレイマイタケ科のキノコである雲芝(カワラタケ)とクルミ科マンシュグルミの樹皮を使用しているもので、「肝」のことが気になる方には特におすすめしているものです。

晶三仙(しょうさんせん)

山楂子・麦芽・神麹の3種類の生薬を使用した健康食品です。
これは、お酒を飲まれる方にもそうですが、過食をしてしまう方、食べたものの消化がうまくいっていないように感じる方におススメです。


私は、飲み会の前には黄連解毒湯と一緒に晶三仙を服用してから出かけます。それほど多く飲まないのもありますが、お酒を飲んだ帰り道から頭痛がして脈拍が早くなり寝つきも悪くなっていたのですが、この二つを服用して飲み会や会合に出かけてから、帰り道に頭痛もなく動悸も感じないため寝つきもとてもよくなります。当然ですが翌朝の体調は特に不調に思うことはありません。

いつも二日酔いで、お悩みの方は漢方薬で健康管理を試してみてはいかがでしょうか。


参考資料サイト:公益社団法人 アルコール健康医学協会

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