漢方薬に使う生薬とは

生薬
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生の薬と書いて「生薬」。漢方薬の原料として欠かせないものですが、植物と何が違うのでしょうか。生薬とは何でしょうか。

生薬について

生薬とは本来、薬物として最も効果的にすぐれた時期に採取し、保存がきくように加工を施したものであり、薬用植物として利用される際の植物のことを「生薬」と言います。

その最も簡単な加工が乾燥であるので、生薬は通常はそのまま乾燥されることが多いのです。

また、それぞれの生薬の特徴から、採取後に必要に応じて洗浄を行い、長期保存してもカビなどが生えない程度に乾燥させています。

生薬の部位による名前の違い

生薬は、薬用部位によって名前をつけられているため、同じ植物でも、使用する部位によって名前が変わります。それを生薬名(薬用植物として利用される際の生薬名)と言います。

こちらの写真は、手前が中華料理でおなじみの杏仁豆腐の上に乗っているクコの実。奥がクコの根の皮。これは同じ植物名である「枸杞」から採取できるもので、果実の部分を生薬名「枸杞子(くこし)」、根の皮を「地骨皮(じこっぴ)」とそれぞれ呼び名が変わります。

その他に、植物名「スイカズラ」の花蕾を乾燥させたものを「金銀花(きんぎんか)」、茎葉を「忍冬藤(にんどうとう)」「金銀藤」と命名されています。

部位の違いによる薬効の違い

使用する部位が違うのは、その薬効に違いがあるためです。
先ほどの、枸杞子は「補益薬(ほえきやく)」に分類されて、特に目や肺を潤す働きがあります。一方、地骨皮は「清熱薬(せいねつやく)」に分類されて、熱を冷ます働きになります。

また、生薬によっては炒る・蒸すなどの加工によって薬効が変わり、用途を使い分けることもしています。

また、加工によって使用方法も変化します。皆さんよくご存じの植物「どくだみ」、生薬名を「十薬(じゅうやく)」と言いますが、生のどくだみを乾燥させたものは主に煎じて使用し、乾燥前の生のものは外用に用います。そして、一般的に「医薬品」としての呼び名は生薬名である「十薬」、「健康茶」として販売されているものを「どくだみ茶」としています。

生薬の品質について

漢方薬に使用する生薬も、食事で食べている食材と同様に、その産地・品質・加工法によって価値が違ってきます。

食材は、多くの場合見た目や味でその品質価値が変わりますが、生薬の場合は当然ながら薬効力によって品質価値が変わります。

例えば、「ニッキ」として知られていますクスノキ科の植物名:ニッケイ(肉桂)は中国雲南地方、ベトナム原産とされる常緑高木。日本には江戸時代に渡来して、鹿児島・高知・和歌山などで栽培されていたそうです。薬用部位は、主に樹皮の部分ですが幹の皮を「肉桂・桂皮」で若い細枝またはその樹皮を「桂枝」と呼び分けています。

肉桂・桂皮の一番の産地であるベトナム産と中国産ではその効力・品質・等級が違うためその価格はベトナム産が4倍ほど高くなっています。
(みなみ野漢方薬局ではベトナムより輸入した桂皮を使用しています。)

 

品質の良い生薬を使用することは、当然ながら治療効果を高める結果となります。安くて品質の悪い生薬を使用すれば漢方薬はもう少し安価になるかもしれませんが、十分な治療効果がなければ意味がありません。

みなみ野漢方薬局では、生薬・製剤・商品ひとつひとつにこだわり、自信をもってご紹介させていただいています。

 

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