随証治療:中医学(漢方・東洋医学)の特徴①

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西洋医学と東洋医学は、陰と陽、昼と夜という対立する関係であるとする考え方もありますが、中医学で有名な陰陽論において、「陰陽互根」という考え方があります。これは陰と陽は互いに扶助し依存しあっている不可分の関係であるといっています。

そのような不可分な関係ですが、それぞれに特徴があります。ここでは、中医学(漢方・東洋医学)治療の特徴についてご紹介いたします。

随証治療

西洋医学の治療を『対症療法』ということは多くの方がイメージしていると思われますが、それに対する、中医学の治療ではどのようなイメージを持たれていますでしょうか。

・自然治癒力を高める療法
・体質から改善する療法
・自然の植物を使う療法
など様々なイメージを持たれていると思います。

皆さんが抱いているイメージはどれも正解だと考えられますが、対症療法に似たもっとスッキリとした表現をご紹介いたします。

それが『随証治療(ずいしょうちりょう)』

随証治療の『随』は「したがう」という意味で、『証』に従う治療という意味になります。

『証』とは中医学独自の概念で、心身のお悩みを持たれている方の体質、病体の個性や、心と体の状態などを正確に表すための物差しです。この『証』を決めることで治療方針・治療薬が決定されるのです。

西洋医学の治療では、診察・検査を行い『病名』を決定し、その病名に合った治療法を選択します。

『証』は西洋医学の『病名』に近い考え方がありますが、病名は静的な考え方ですが、『証』は動的な考え方であると私は理解しています。

『証』は治療とともに変化していくものであり、その都度『証』を見極めて治療方針を練る必要がある為に、漢方治療では問診・カウンセリングがとても重要なのです。

同病異治

『随証治療』による治療の考えの中で西洋医学からするとなじめないと思われるのが、『同病異治』という考え方ではないでしょうか。

これは、病名が同じでも治療方針や治療薬が異なるという事、西洋医学では例外を除いて、通常は病名が決まると治療方針は患者に合わせるのではなく病名に合わせて選択されます。

一方、中医学では同じ病気でも人によって『証』が異なれば治療方針が変わることは不思議なことではありません。

このことからも、中医学の特徴は、病気を治療するのではなく、病人を治療することに重点を置いているという考えが基本にあるのです。


漢方薬を服用する場合には、問診やカウンセリングがとても重要です。漢方薬を服用する事での症状の変化、これまで気づかなかった自分の体調や体質などがしっかり相談することで見えてきます。

漢方薬の効果を最大限に引き出すためにも、しっかり相談できる薬局で漢方薬を処方していただき、繰り返し相談するようにいたしましょう。

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