脂質異常症(高脂血症)は、血液中の LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪の増加、HDLコレステロールの減少 がみられる状態です。
自覚症状が少ないため放置されやすいですが、動脈硬化や心血管疾患のリスクを高めることがあります。
漢方での考え方
漢方では、脂質異常症は単なる血中脂質の増加ではなく、体質や生活習慣による血の滞り・湿(余分な水分や老廃物)の停滞として捉えます。
| 体質タイプ | 特徴 | 漢方的視点 |
|---|---|---|
| 瘀血型 (血の滞り) | 顔色がくすみ、肩こりや頭痛を伴う | 血流を改善し、血のめぐりを整える処方が有効 |
| 脾虚型 (消化吸収の弱さ) | 食欲不振、疲れやすい、下痢しやすい | 水分代謝を改善し、余分な脂質や老廃物の停滞を減らす処方が有効 |
| 湿熱型 (脂の停滞) | 口がねばつく、体が重い、皮膚がベタつく | 熱や湿を取り除き、脂質の代謝を助ける処方が有効 |
漢方で使われる主な処方例
| 漢方薬 | 適応タイプ | ポイント |
|---|---|---|
| 防風通聖散 | 湿熱・肥満型 | 脂質代謝を整え、体の余分な水分や老廃物を排出する効果 |
| 冠元顆粒 | 瘀血型・血流停滞型 | 血の巡りを改善し、動脈硬化や肩こりなどの症状にも対応 |
| 十全大補湯 | 脾虚型 | 体力不足や疲労感がある方に血を補い、体質改善をサポート |
※体質に合わせた処方選びが重要です。同じ脂質異常症でも体質によって漢方薬は異なります。
生活養生のポイント
漢方だけでなく、生活習慣の改善も不可欠です
- 食生活:野菜中心、脂質や糖質を控えめに、良質なたんぱく質を摂取
- 運動:ウォーキングや軽い筋トレなど、血流を良くする運動を習慣化
- 睡眠・ストレス:十分な睡眠とストレス管理で血の巡りを改善
- 体を冷やさない:冷えは血流の滞りにつながるため、腹部・手足を温める
おわりに
漢方薬は体質に合ったものを選ぶことが改善への近道です。
脂質異常症はタイプによって処方が異なるため、自己判断での服用は避けましょう。
「みなみ野漢方薬局」では、お客様の症状・体質・生活習慣を丁寧に診断し、最適な漢方薬を調合・ご提案しています。
脂質異常症でお悩みの方は、生活習慣の見直しと漢方の力で、健康づくりをサポートいたします。安心してご相談ください。

