花粉症に効く漢方薬
花粉症対策
アレルギー性鼻炎の一種である花粉症、原因となる花粉の種類は約60種類と言われています。
花粉症の症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなど鼻の症状が主症状ですが、これらの症状によって集中力の低下、睡眠の質の低下による不眠、口呼吸によるのどの痛みやかゆみなど体調に様々な影響が現れてきます。
花粉症対策の薬は抗ヒスタミン剤が主流ですが、副作用による眠気で車の運転をすることができませんのでお仕事に制限がかかることがあります。(眠気を起こさない抗アレルギー薬もあります。)
漢方薬の症状を軽減する働きは、抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤に負けない速攻作用があり、眠気が起こらない、症状に合わせて服用できるのが特徴です。
中医学の考え方
花粉症は中医学の考えでは、花粉から身体を守る働きである「防衛力」が低下したために引き起こされていると考えています。
中医学での身体を守る働きである防衛力を「衛気(えき)」と呼び、衛気は花粉だけでなく、ウイルスや細菌、ホコリ、化学物質など様々なものから防衛してくれる「気」の働きの一つです。
【衛気を高める漢方薬例】
衛益顆粒・補中益気湯
・衛気とは:「風邪をひきやすい体質におススメの漢方薬」
・気とは :「気血水精について知る」
症状緩和の漢方薬
花粉症の体質改善の基本は、「衛気」を養うことですが、症状が強くあらわれているときには、つらい症状を緩和させる漢方薬を症状に合わせて一緒に服用することをお薦めします。
「鼻水ズルズル」
水っぽい鼻水が多く出る症状の方は、身体(中医学では「肺」)が冷えている状態です。身体(肺)を温める働きの漢方薬を服用しましょう。
【よく使われる漢方薬】
小青竜湯、葛根湯加川芎辛夷、麻黄附子細辛湯
「鼻づまりが強い」
鼻づまりで粘りのある黄色い鼻汁が出る方は、五臓「肺」に熱が停滞している状態であるため、熱を冷ます漢方薬を服用しましょう
【よく使われる漢方薬】
辛夷清肺湯・涼解楽
【おススメサプリ】
板藍茶
「胃腸虚弱」
五臓の「脾胃」が弱っているときには、防衛力である「衛気」が低下してしまいます。下痢しやすい、胃腸が弱い、食が細い体質の方は、脾胃を整える漢方薬がお勧めです
【よく使われる漢方薬】
六君子湯・香砂六君子湯・化食養脾湯
【おススメサプリ】
晶三仙
「目のかゆみ・充血」
アレルギー性結膜炎と言われますが、目やまぶたがかゆくなり、充血と白っぽい目やにが出ます。かゆいからと言って目をぐりぐり掻いてしまうと、目を傷つけることもあるので気を付けましょう。
炎症なので、「肺」の熱が関係していますが、「肝は目に開竅する」と言われ、五臓の「肝」が弱っている方も花粉によって目の症状が出やすくなります。
【よく使われる漢方薬】
十味敗毒湯・黄連解毒湯・涼解楽・瀉火利湿顆粒
【おススメサプリ】
田七人参、菊花&枸杞子茶、五涼華
花粉症の養生
花粉症の症状がひどくなるきっかけは人それぞれですが、意識していただきたい項目をご紹介します。
- 早寝早起きを(夜更かし厳禁)
- 暴飲暴食に注意
- タバコは控えめに(理想は禁煙)
- 身体を温めて
- 外出時にはマスクを忘れずに
- 帰宅時、玄関前で服についている花粉をはらう
- 静電気の発生しにくい衣類を選んでください
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