漢方薬の種類(剤型)

漢方薬の種類(剤型)

漢方薬には、煎じ薬・エキス剤・丸薬・錠剤・シロップ剤・蝋丸といった様々な剤型があります。

それぞれのメリット・デメリットについてご説明いたします。

漢方薬の種類、どれを選ぶ?

煎じ薬

生薬を水から煎煮したものを服用する漢方薬。

(特徴)吸収が良く、効果も早い
(欠点)人によっては煎じるのが手間、携帯に不便

また、煎じるときに使用する器具は鉄や銅の器を避けなければいけません。

処方内容や効果の増加あるいは減弱を狙うために煎じ方に人手間かかる場合があります。

散剤

散剤は、生薬を細粉して混合したもので昔は薬研を用いて細粉していました。(写真右下)

(特徴)保存や携帯に便利、水に溶けにくい有効成分がある場合に使用
(欠点)飲みにくい(オブラートを使用すれば問題なし)

エキス剤

散剤とは異なり、有効成分を煮出した薬液を濃縮し、賦形剤(乳糖やデンプン)を加えて乾燥させ、顆粒状~細粒にしたものです。(写真上が顆粒、左が細粒)

(特徴)携帯・貯蔵・服用にとても便利
(欠点)飲み忘れが発生しやすい

また、製造メーカーによって吸湿性(溶解性)が異なっていますので、効き目に差があります。

丸剤

文字通り丸い粒の薬で、散剤を丸薬として作ることで、散剤の欠点である飲みにくさが解消されています。

(特徴)味や匂いを気にせず服用できる
(欠点)処方によっては服用する粒の数が多い

シロップ剤

イスクラ婦宝当帰膠B

薬物を煮出して濃縮し、適量の糖液を加えたもの

(特徴)甘味があって飲みやすい
(欠点)携帯に不便

蝋丸

蝋で作られた容器の中に、煮出した煎液を濃縮し固形化したものが主薬で必要量を刻みそのままあるいは湯に混ぜて服用します。

(特徴)エキス剤よりも効き目がある
(欠点)服用方法に手間がかかる


漢方薬の剤型には他にも錠剤・カプセル剤がありますが、それぞれ濃度の違い・飲みやすさ・効果の出やすさ・携帯の利便性・価格面など様々な理由から剤型が選ばれています。

どの剤型を選ぶのかは、購入する薬局・薬店にてしっかりご相談をいたしましょう。