漢方コラーゲンでアンチエイジング
- 2019.03.30
- 話題の漢方
美容や健康のために多くのコラーゲン含有商品が販売されています。
漢方生薬の中にもその成分に「コラーゲン」を含有しているものがあります。その漢方生薬から得られる天然のコラーゲンを「漢方コラーゲン」と私は呼んでいます。
コラーゲンが含まれる漢方素材について、その効能などについてご紹介いたします。
コラーゲンとは
そもそも、コラーゲンとは何かご存知だと思いますが、おさらいしておきましょう。
コラーゲンはタンパク質のひとつ。私たちの身体を構成する全タンパク質の約30%を占めています。
タンパク質
タンパク質は重さにして体重の18~20%で、ホルモン・酵素・ヘモグロビンもタンパク質で作られています。個体部分で見ると75%がタンパク質。
タンパク質を英語で書くと、Protein(プロテイン)。アスリートにとって重要な成分であることはご存知だと思います。
そしてタンパク質は、アミノ酸が連なってできている構造。
アミノ酸
アミノ酸は、スポーツ飲料によく使われているもので、その構造は、アミノ基(NH2)とカルボキシル基(COOH)を併せ持った炭素化合物。
これはグリシンというアミノ酸。
アミノ酸はこれまでに約500種類見つかっていますが、私たちの体内でタンパク質合成に必要なアミノ酸は20種類のアミノ酸です。
体内のコラーゲンの約40%は皮膚、20%は骨や軟骨、その他は血管や内臓など身体全体に分布しています。
コラーゲンは、アミノ酸が連なったタンパク質が3本でらせん構造を形成しています。
コラーゲンの種類でよく知られているのが、
Ⅰ型コラーゲン:皮膚や腱などのコラーゲン
Ⅱ型コラーゲン:軟骨などのコラーゲン
コラーゲンの役割
コラーゲンは私たちの身体で重要な役割があります。
コラーゲンは弾力性があり強い力に耐える強度があります。その性質が私たちの皮ふや軟骨・腱などで身体を守ることに役立っているのです。
コラーゲンは美容的な面では、お肌にハリと弾力を与え、関節などでは柔軟性や強度、血管では弾力性と強度と関わっているため健康素材として注目されています。
漢方素材
漢方素材から得られるコラーゲンで使用される代表的なものをご紹介します。
漢方素材から得られるコラーゲンとは「膠(ニカワ)」のことで、ご存知の方も多いと思われますが、膠は古くから木材の接着、絵具、染料の材料としても使用されています。
阿膠(アキョウ)
ロバやウシなどの除毛した皮を水で煮て精製したニカワ塊。
【漢方処方】黄連阿膠湯、芎帰膠艾湯、温経湯などに配合され、中成薬であるイスクラ婦宝当帰膠Bにも配合されています。
薬効分類は、養血薬(ようけつやく)で血を補い、陰を補い、止血作用がある。
煎じ薬で調合した場合の使用方法は、はじめに阿膠以外の生薬を30分煮込み、煎液に阿膠を加え、弱火で5分ほど煮込み出来上がりです。
温経湯、イスクラ婦宝当帰膠は、婦人科のお悩み(月経不順、不妊、冷え症、めまい)で主に利用され、芎帰膠艾湯は不正出血に使用されます。
亀板膠(きばんきょう)
クサガメの腹甲の亀板(きばん)を煎熬(せんごう)した膠。
薬効分類は滋陰薬(じいんやく)、陰を補い、阿膠同様に止血、補血の効能も持つ。
さらに、益腎強骨作用があり、腎精虚による腰やひざが弱っている場合に効果があります。
鼈甲膠(べっこうきょう)
スッポンの背甲または腹甲を煎熬(せんごう)した膠。
薬効は、亀板膠と同様ですが、軟堅散結・破瘀通経という効能も併せ持ち、瘀血によるしこりや腫瘤を取り除く効果があるとされています。
鹿角膠(ろっかくきょう)
雄鹿の軟化した骨質の角である鹿角を煮詰めた膠。
薬効は、助陽薬(じょようやく)で中医学でいう「腎」を補い、滋養強壮作用があります。
まとめ
漢方コラーゲンの働きとしては、中医学表現では補血・止血・滋陰・補腎といった働きがあり、身体・皮膚を潤し、巡りを整え、腎の働きを高めるといった作用で使用されています。
亀板膠・鼈甲膠・鹿角膠を使用した健康食品「亀鹿仙(きろくせん)」は、美容と健康飲料(シロップ状)でとても人気のある商品です。
みなみ野漢方薬局では、婦宝当帰膠同様、試飲サービスも行っていますので、漢方コラーゲンを試飲したい方はお気軽にお立ち寄りください。
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