夏に起こる脳梗塞

冬に多いと思われていた脳梗塞の発症、実は夏にも多いのをご存知ですか!!
夏は汗をかいて水分が不足し、血液がドロドロすることが大きな原因と考えられています。
漢方の知恵を生かして、夏を快適に元気に過ごしていきましょう。
脳血管障害の統計
平成30年9月7日に厚生労働省は「平成29年(2017)人口動態統計」を発表いたしました。脳血管障害のこれまでの統計をまとめましたのでご紹介いたします。
総患者数(単位:千人)
主な傷病 | H29 | H26 | H23 |
脳血管疾患 | 1115 | 1179 | 1235 |
心疾患 | 1732 | 1729 | 1612 |
高血圧 | 9937 | 10108 | 9067 |
脳血管疾患の患者数は、H29年はH26年より約6万人減少し、H23年と比べると約12万人減少していることが解ります。
死亡人数
傷病 | H29 | H26 | H23 |
脳血管疾患 | 109.880 | 114.267 | 123.867 |
-脳梗塞 | 62.122 | 66.058 | 73.273 |
割合 | 56.5% | 57.8% | 59.1% |
脳血管疾患による年間死亡者のうち約6割が脳梗塞、次いで約3割が脳内出血、約1割がくも膜下出血が原因で死亡しています。
脳血管疾患の患者数は年々減少していますが、総患者数の約1割が死亡している状況に変化が見られません。
厚生労働省:知りたい統計(テーマ)URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/theme/index.html#theme-cat14
脳梗塞とは
脳梗塞とは、文字通り脳に梗塞が起きている病気。梗塞とは、脳の血管の一部がなんらかの原因によって血液の流れが止まってしまうことで発症します。
脳内の血管は太い血管をもととして、細い血管が多く張り巡らされていますので、一口に脳梗塞と言っても、梗塞する場所が太い血管か細い血管か、また梗塞の起きている場所もさまざまなため症状も、症状の程度も、後遺症も変わってきます。
脳梗塞の原因
梗塞を起こす原因には大きく2つに分けられます。「塞栓」と「血栓」
塞栓は、心臓でできた血液の塊が突然血管に詰まり、梗塞を起こす状態です。
血栓は、脂質異常症や高血糖などが原因として、脳の血管に動脈硬化を起こし血管が狭くなったところに血栓(血の塊)ができて、血液の流れがふさがれた状態です。
夏に起こる脳梗塞は、後者の血栓性脳梗塞が多いのです。
夏に起こりやすい原因
一番の原因は”脱水”です。
気温が上昇すると当然汗を多くかきます。すると血液中の水分量が不足して、「血液ドロドロ」の状態となり、血栓ができやすくなるのです。
その為の対策として、「水分をこまめに 一日2リットル!!」と言われるのですが、やみくもに水分を多量に摂取するだけでは、却って胃液や消化酵素を薄めてしまい消化能力が低下することで、食欲不振となり夏バテの原因となります。
失われるのは水分だけではない
発汗によって失われるのは水分だけでなく、塩分、ミネラル成分も失われてしまいます。中医学では体内を潤して体の働きを整える成分を「津液」。体のエネルギー成分を「気」と呼んでいます。
中医学では多量の発汗は、「気」「津液」の両方が多く消耗するため、「気陰両虚(きいんりょうきょ)」と呼ばれる状態になりやすいと考えられています。
気・津液を補う
気と津液を補い、血液ドロドロを解決する治療方法を「気陰双補(きいんそうほ)」と言い、代表処方・商品として「生脈散(しょうみゃくさん)」「イスクラ麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」があります。
気を補う「人参」(写真右)
津液を補う「麦門冬」(写真奥)
津液を補い、発汗を抑える「五味子」(写真左)
の3種類のみを使用した中医処方
脳梗塞や心筋梗塞対策だけでなく、熱中症や夏バテ対策としても有名な処方です。
甘酸っぱい味ですが、疲れているときなどはとてもおいしく感じます。
高齢者、スポーツや外出で汗を多くかく方や夏の苦手な方、コレステロール、血糖値、血圧、不整脈などが気になる方には特におすすめいたします。
中医学の知恵を生かして、快適な夏を楽しい思い出の夏をお過ごしください。
みなみ野漢方薬局では、イスクラ麦味参顆粒の試飲サービスを行っています。お気軽にご来店ください。
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