食べ物がウンチになるまで

食べ物がウンチになるまで
消化器官のお悩みは
・胃が重い
・胃が張る
・のどに詰まりを感じる
・お腹がゴロゴロしている
・下腹部の張り
・ガスが多い
・便がスッキリ出ない
・軟便
・便秘
など、様々なお悩みがあります。

消化管の働きの問題は、アトピー性皮膚炎・自律神経失調症・婦人病・免疫疾患・循環器疾患と様々な疾患の根源ともいわれているところです。

消化管の働きに意識して、健康維持・お悩み改善に役立ててください

消化管の働き

 

消化管とは

食べ物は、口から食道、胃、十二指腸、小腸、大腸を経て肛門にたどり着く、ここまでの1本道の距離はおよそ10m。この道筋を「消化管」といいます。

消化管の役割は、消化と吸収によって食べ物に含まれる栄養分や水分をからだに取り込むことです。

食べ物が各消化管を通過する時間

口に入れた食べ物が各消化管を通過・吸収して、ウンチになり排出されるまで約24~72時間前後といわれます。

<各消化器官での食べ物の消化・吸収の所要時間>

消化管 消化・吸収の所要時間
60秒
食道 固体 30~60秒
液体 1~6秒
固体 2~4時間
液体 1~5分
小腸 7~9時間
大腸 10数時間

 

歯は食べ物をかみ砕いて消化を助け、舌によって食道に送り込みます。

唾液には様々な酵素が含まれ、一日に1.5ℓ分泌され、ご飯やパンなどに含まれるデンプンを分解する消化の働きの他、抗菌作用・粘膜保護作用・粘膜修復作用・歯の保護・再石灰化などの働きがあります。

唾液の分泌はとても大切です。よく噛んで分泌を促していきましょう。

食道の働き

食道は、のどと胃を結ぶ管状で、その長さは成人で約25cm。

食べ物が食道を通過するときには、重力によって下に落ちているのではなく、食道の筋肉が蠕動運動をして食物を胃へ強制的に送り込んでくれているのです。

その為、たとえ横になっても逆立ちしても食物はきちんと胃に送られるのです。

胃の働き

胃は、成人で約1.5ℓの容積を持つ袋状の消化管。
胃液を分泌し食べ物と混ぜ合わせ攪拌し、十二指腸での消化・吸収に備えるのが大きな役割。

胃では「ペプシン」と呼ばれる消化酵素で、食べ物の肉や魚、大豆に含まれる「タンパク質」を分解します。消化された食べ物が”かゆ状”になると幽門部がひらいてゆっくり十二指腸に運ばれていきます。

胃液

胃液は1日に約1.5ℓ~2.5ℓも分泌されます。胃液の主な成分は、塩酸、ペプシノーゲン、粘液の3つ。

『あれっ?「ペプシン」じゃないの』と疑問に思った方は、洞察力が鋭い!!

ペプシンは、分泌されているペプシノーゲンが塩酸によって活性化されることによって作られるのです。

塩酸は、pH1.0~2.5とかなり強酸性で、触れると皮膚をただれさせてしまうほどのものですが、胃の内側(内壁)は、強い塩酸に侵されないように「粘液」が分泌して保護しているのです。

食べ物の胃内停滞時間

停滞時間 食品(100g)
2時間以内 くず湯(200ml)、食パン、りんご、桃、だいこん、かぶ、半熟卵、鯛刺身
2.5時間以内 白米ご飯(茶碗1杯)、餅、牛乳(200ml)じゃがいも、にんじん、生卵
3時間以内 うどん、味噌汁、かぼちゃ、さつまいも、鶏肉、カステラ、煮魚(かれい、あゆ、あじ、きす)、牛すき焼き、ビスケット、卵焼き
3.5時間以内 たけのこ、ピーナッツ(炒り)、鯛塩焼き、あわび、はまぐり、昆布、かまぼこ、ゆで卵、うなぎ
4~5時間以内 ビーフステーキ、数の子、てんぷら、豚肉、ベーコン、ロースハム
12時間 バター(大匙5杯)

(管理栄養士 栄養士 必携 2019年度版:168ページより抜粋)

夕飯の遅い方は、胃の停滞時間の長い食べ物の摂取を控えて、停滞時間の少ない消化の良いものを選んで食べていきましょう。

十二指腸の働き

十二指腸は胃に続く小腸の始まりです。

十二指という名がついたのは・・・・実は、十二指腸の形は蹄鉄状で長さが約25cmで指12本分であることからこの名が付きました。

十二指腸では、肝臓で作られ胆のうに蓄えられた胆汁と膵臓で作られる膵液といった消化液を排出し、たんぱく質・脂肪を分解・乳化します。

小腸

体内で最も長い臓器で、十二指腸、空腸、回腸の3つの部分からなります。成人ではおよそ7~8mもありますが腸管の筋肉によって3mほどに縮んでいます。

小腸の直径は約4cm、内側には絨毛(じゅうもう)と呼ばれるヒダが500万もあり、全体を広げた場合、その表面積は約200㎡(約60坪)で小学校の教室位の広さになります。

小腸の役割は、栄養分を消化・吸収、水分の吸収が主な働きです。

小腸の栄養吸収細胞は、24時間で生まれ変わり栄養の吸収力を維持してくれています。

大腸

大腸は成人で約1.5mの長さがあります。

主な働きは、水分の吸収で、小腸から送られてきた消化物の残りカスは大腸を進む間に徐々に水分が吸収され、大便となります。

大便は”便(たより)”と書きます。昔から、大便は、身体の状態、健康状態のお手紙であると言われています。

便の形状・色を観察して、ご自分の健康状態を把握していく習慣をつけてみましょう。

健康な人は〇〇

健康な人と病気のお悩みを持っている方・病気ではないが体調がすぐれない方の違いは何でしょうか。

多くの方のご相談を受けて感じたことは、食べ物がおいしく・食欲旺盛である方は健康であると感じました。

食欲があるという事は、消化器官の働きが整い消化・吸収・排泄がスムーズに行われている証拠です。

頭痛・肩こり・皮膚病・自律神経失調症・免疫疾患・難病・不眠症・うつ病と様々な疾患がありますが、その病状を改善させることばかりに力を入れがちです、身体全体を整える中医学の教えも取り入れて、消化管の働きを改善させることを考えてみてください。