美容と健康の秘訣は毛細血管の流れにある
- 2020.02.06
- 薬膳・養生
「美容と健康の秘訣は毛細血管の流れにある」ということをご存知ですか?
TVや雑誌でも、”微小循環改善” ”ゴースト血管” ”末しょう循環改善”などと毛細血管の働きが美容と健康に大きくかかわっていることが報道されています。
そこで、毛細血管とは何か、毛細血管の流れを改善させることがどうして美容と健康に関係するのかを解り易く簡単にご紹介させていただきます。
毛細血管とは
心臓から全身に血液を送る動脈と全身から心臓に血液を戻す静脈との間をつなぎ、極めて薄い壁でできた非常に細い血管(直径が約100分の1mm)それが毛細血管です。
血管には、動脈、静脈、毛細血管とありますが、毛細血管は全身の血管の99%を占めています。
その毛細血管の大切な役割は
道路に例えると、高速道路は動脈や静脈など太い血管で通勤や通学、買い物や散歩に使う市街地の道路や国道などは毛細血管と考えられます。太い血管はなるべく早く栄養や酸素を運び、毛細血管では運ばれてきた酸素や栄養を必要としている場所(細胞や臓器)に届けて不要となったものを回収しているのです。
毛細血管の流れが悪くなるのはなぜ
酸素や栄養が通り、新陳代謝や老廃物の回収に大切な通路である”毛細血管”。
その流れが悪くなるのには様々な理由がありますが、
一番の原因は”老化”です。
毛細血管は加齢とともに減っていくことが解っています。
60~70代の方は20代の方と比べると約40%も減少しているのです。
皮ふにきれいな酸素や大切な栄養を届けられなくなると、新陳代謝が低下して傷の修復ができなくなるばかりでなく、シミ・シワなど肌トラブルの一因となります。
また、肝臓や腎臓、肺などにある毛細血管が減少すれば、様々な機能低下を引き起こし病気になりやすくなります。
毛細血管の減少は、他の要因としては冷え・過食・肥満・運動不足・ストレスなどの生活習慣が毛細血管の流れを悪くしていると考えられます。
でも、何歳になっても毛細血管は増やすことができるのです。
血液サラサラだけでは不十分
病院で血液サラサラの薬を飲んでるから私は大丈夫!!
と言われる方がいましたが、西洋医学では太い動脈の流れが悪くなったり詰まってしまった場合には、それらを改善・予防することができますが、細い血管である毛細血管の流れを改善させることまでは西洋医学ではできていないのです。
太い血管の流れが滞ると重大な疾患、命に関わる疾患となりますから、その予防と対策はとても大切ですが毛細血管の流れも一緒にケアしてあげるとより安心です。
血管を健康に保つ血管内皮細胞
血液の流れをスムーズにして血液の固まりやすさを抑制する働きは血管内皮細胞というところにあります。
血管内皮細胞は、血管の最も内側(血球が通る側)にある細胞で、血管の健康状態を維持するのに大切な役割を担っています。
それは、内皮細胞から一酸化窒素やエンドセリンなど多くの物質を放出して、血管のしなやかさなどの調整に関わっているためです。
加齢や生活習慣の乱れによって毛細血管が減少すれば、血管をしなやかに保つ内皮細胞も減少し機能低下がおこるため、減少が続けば美容や健康を維持することが難しくなります。
毛細血管が元気になると・・・!?
毛細血管の流れが改善されると、次のような変化が起こります。
アンチエイジング
老化は細胞の死滅。
毛細血管の流れが改善されれば、髪の毛や皮膚に十分な酸素と栄養を運ぶことができ、不要な老廃物を除去することができるのです。毛細血管は細胞の新陳代謝に大きく貢献しているのです。
冷えの改善
毛細血管の流れが良くなると、末梢循環が改善されます。すると手足の指先まで血液が流れるようになるため冷えが改善。
治癒力の向上
私たちの身体には免疫システムというものが備わっています。
悪いものが入ってきたときや災害・事件・事故が起こった時、火事が起こった時に活躍する、自衛隊、警察官や消防士のような役割です。それらが活躍するためには、現場に向かうために必要な道路が渋滞していたり、通行できなくなったりすると的確に対応できなくなるばかりでなく、状態を悪化させることにもなります。
その為、毛細血管の流れが良くなっていると免疫システムがしっかり働き、病気やケガ、ウイルスや細菌から身体を守ることができるのです。
自律神経の調整
血流循環は、自律神経の働きに大きく依存していますが、自律神経自体も毛細血管の循環に大きく影響を受けています。自律神経の乱れは血流障害を作りますが、血流循環が良い状態を保てれば自律神経の乱れを減らすことができるのです。
毛細血管を増やすためには
毛細血管は、何歳になっても増やすことができます。
その為の方法をいくつかご紹介いたします。
ふくらはぎの運動
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるぐらい、血液循環に関係します。
ふくらはぎの運動では、ふくらはぎを縮めたりのばしたりする運動です。
簡単な方法としては、立ったままつま先立ち・つま先をあげてかかとで立つを数回繰り返す方法です。バランスが乱れないように、壁に沿ってやったり、机やいすを手すりとして使用すると安全です。
歩くときにも、ふくらはぎを意識すると足先の血流が良くなって暖かく感じたり、しびれた感覚がある場合がありますが、うまく動かせた証拠です。
ストレス対策
ストレスは万病のもと
漢方では、ストレスによって気の巡りが悪くなる状態(気滞)が発生すると、血の流れが悪くなる(気滞血瘀)と考えています。
ストレス反応は人それぞれですが、おなかの張り、ガスが多い、ゲップ、肩こり、頭痛、ソワソワ、むずむずといった症状は、ストレスによって気が滞っているサインです。
気分転換や深呼吸、軽度の発汗で滞っている気を追い出していきましょう。
炭酸温泉
炭酸温泉は、二酸化炭素が溶け込んだ温泉です。二酸化炭素は温度が高いと抜けてしまいますので、炭酸温泉はぬるめなのですが、10分ほど浸かっているとジワジワ温かくなり、皮膚が赤くなります。
炭酸温泉(二酸化炭素泉)は、切り傷、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症に効果があると記載されています。
炭酸温泉へ出かけることが困難な方は、入浴剤やスーパー銭湯などをご利用されてはいかがでしょうか。
当店の近くには、竜泉寺の湯 八王子みなみ野店(https://hachioji.ryusenjinoyu.com/)があります。朝6時から営業しています。八王子・八王子みなみ野・北野・橋本から無料シャトルバスも出ていますので、お車がなくても安心です。(※タオルや洗顔剤・シャンプーなどは持参いたしましょう)
シナモン
シナモン(漢方生薬では桂皮)には、中枢・末梢の血管を広げる働きがあるため血行を促し、冷えを改善させる働きがあります。
シナモンが使われた料理やお菓子を利用したり、チャイを作って飲んでみるのもおすすめです。
漢方薬で末梢循環改善
漢方薬には、シナモン(桂皮)を利用した漢方処方の他、末梢循環を改善させる働きのある処方がいくつかあります。
桂皮が含まれる漢方処方(一部)
・温経湯
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯
・五積散
・桂枝湯
・桂枝茯苓丸
・葛根湯
・小青竜湯
など
その他、血行を促進させる働きを漢方では、活血化瘀剤(かっけつかおざい)と呼んでいますが、その代表処方は
・冠元顆粒
・血府逐瘀湯
・芎帰調血飲第一加減
・桃紅四物湯
など
これらの他にも、様々な漢方処方があります。漢方薬を服用の際には、専門家への相談が大切なのです。自分の体質に合った血行促進方法を相談してください。
何もしなければ、毛細血管は減ってしまいます。美容と健康のためにも毛細血管を増やしていきませんか。
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