第3回「未病対策」何から始めるべきか

第3回「未病対策」何から始めるべきか

「未病先防(みびょうせんぼう)」病気にかかる前に防ぎ、すでに病気であれば悪化を防ぐことが重要である。というお話を第1回でご紹介いたしましたが、ではそのためには何をどのようにすればよいのか、具体的に少しずつご紹介してまいります。

まずは自分の体質を知ろう

未病対策のためには
・自分はどんな病気にかかりやすいのか
・どのように体調が乱れやすいのか
・今の病気は、中医学ではどのようにとらえるのか
などを知ることからはじめましょう。

それぞれ五臓の乱れで現れる症状をチェックしてみてください。多くあてはまるところが弱っている五臓の可能性があります。

肝(胆)のトラブル

□ イライラや不安感がある
□ 眠りが浅く、嫌な夢を見る
□ わき腹や胸が張って苦しい
□ 便秘と下痢を繰り返す
□ 目が疲れやすい、視力低下
□ 筋がこわばったり、ひきつれたりする
□ 爪が割れやすい、凸凹している
□ 月経不順、月経前にイライラする
□ 顔色が青い
□ 舌の両側の縁に赤みがある
□ 肝臓の病気がある
□ 自律神経失調症、更年期障害と診断されたことがある
□ 甲状腺機能に異常がある
□ 怒りっぽい、短気である
□ 過度な運動が多い
□ お酒が大好き

心(小腸)のトラブル

□ 動悸や息切れがする
□ 寝つきが悪く、途中で目が覚める
□ 不安感がある
□ 物忘れしやすい
□ 胸や心臓部が重い、痛む
□ 左の肩や肩甲骨のあたりがこる
□ 少しの運動で汗をかく
□ 手足や顔がむくむ
□ 顔が赤い、ほてる
□ 舌の先端が赤い、または痛みがある
□ 不眠症、不安神経症などと診断されたことがある
□ 不整脈があるといわれたことがある
□ 取り越し苦労が多い
□ 責任感が強い

脾(胃)のトラブル

□ 食欲がない
□ 胃が痛い、または胃がむかつく
□ 下痢をしやすい
□ 口の中が荒れ、味がわかりにくい
□ 手足がだるく、筋力が弱い
□ 体がやせる、太っていて水太り
□ アザができやすい
□ 月経が止まりにくい
□ 顔や皮膚の色が黄色っぽい
□ よだれが多い
□ 舌の周囲に歯型がつく
□ 消化器の疾患で服薬中
□ 食事のリズムが一定していない
□ 悩みが多いと感じる

肺(大腸)のトラブル

□ 咳や痰がでやすい
□ 呼吸が苦しい
□ 息が詰まったり、鼻水がよくでる
□ のどが腫れて痛みやすい
□ 風邪をひきやすい
□ 皮膚が弱い
□ 便秘になりやすい
□ アレルギー性の鼻炎や皮膚炎がある
□ 顔が白っぽい、色白である
□ 口で呼吸していることが多い
□ 喘息、アレルギー、アトピーなどで服薬中・治療中
□ 自己免疫疾患や難病を患っている
□ 涙もろい、喜怒哀楽が激しいほうである

腎(膀胱)のトラブル

□ 足腰がだるく、腰痛を起こす
□ 精力が減退している
□ 骨がもろい(骨粗鬆症である)
□ 排尿障害を感じる(頻尿・残尿感・夜間尿など)
□ むくみやすい
□ 寒がりである(腰回りが冷える)
□ 手足がほてる、午後に微熱が出る
□ 耳鳴りや難聴がある
□ 顔が黒ずんでいる、目の下にクマ
□ 舌が赤く、苔が少ない
□ 驚きやすい、怖がり
□ 子供が授からず悩んでいる
□ 糖尿病である
□ 腎臓の病気がある
□ 60代以上

これら五臓の問題は、病状が深く長くなれば複数の五臓に乱れが起こりやすくなります。
それぞれの項目で4つ以上当てはまっていればその五臓が乱れていると考えてよいでしょう。


体調不良(未病)の原因を認知する

五臓の乱れを知ることができましたが、次に知っておくべき大切なことは、未病の原因です。

未病の原因は次の5つに集約することができます

・心の問題
・食生活
・運動や活動
・休息(睡眠やリラックス、気分転換)
・環境(生活リズムや生活環境、自然現象)

第4回でこれらの項目についてご紹介いたします。