いきいき元気 第5回「瘀血」
「病気の原因はすべて瘀血である」と言われます、これは多くの病気に「瘀血」がかかわり、「瘀血」を予防することで病気の進行や悪化を防ぐことができるというところからきています。
瘀血とは
瘀血は「おけつ」と読みます。
瘀血は、「血」の流れが悪くなり滞っている状態のこと。
代表的な症状は
・肩こり
・頭痛
・しこり
・月経痛(経血に塊)
・アザ
・動悸
など。
瘀血は万病のもと
冒頭でも記載しましたが「瘀血」は様々な病気の根源であると考えられています。
頭痛や肩こり、冷えなどの自覚症状から、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、ガンなど生命にかかわる疾患、高血圧、糖尿病、不眠症、胃潰瘍、神経痛、アレルギー、肝臓病、腎臓病まで多くの疾患に「瘀血」が関わっていると考えられられています。
そのため、「瘀血」の対策をとることが様々な疾患の予防となり健康な生活を築き、すでに病気で悩んでいる場合でも悪化を防いでいくことになります。(未病先防)
瘀血の発生原因
「瘀血」が発生する原因は主に生活習慣にあります。
現代社会で最も多い原因は「ストレス(精神的・肉体的負担)」
中医学では様々な「ストレス」を認識し、受けたストレスを解消する五臓を「肝」が担っていると考えています。
様々なストレスが蓄積し負担となると「肝」の働きが低下してきます。「肝」は疎泄作用という「気血」をスムーズに全身に巡らせる働きがあるため、その機能低下によって「気血」の巡りが悪くなり、結果として「瘀血」が発生してしまいます。
活血化瘀(かっけつかお)
中医学では血を生き生きさせて、血の滞りである「瘀血」を改善する方法を「活血化瘀(かっけつかお)法」とよびます。
代表漢方薬は
・血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)
・冠心Ⅱ号方(かんしんにごうほう)
・冠元顆粒(かんげんかりゅう)
・桃紅四物湯(とうこうしもつとう)
・芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
これらは「瘀血」の状態を改善し「瘀血」を予防する働きもありますが、「瘀血」を引き起こしやすい体質改善と併せて行うことがより大切です。
上記の処方の中でも、瘀血を改善する代表的なのがシソ科の「丹参(たんじん)」を中心として作られている丹参製剤である「冠心Ⅱ号方」「冠元顆粒」。
「丹参」は中国では古くから活血化瘀の治療薬として使用されてきました。丹参と川芎という生薬の組み合わせには冠状動脈拡張作用(心臓に酸素や栄養を運ぶ心臓を取り囲む血管を冠状動脈といいます。)があることが明らかで、その結果冠動脈の血流量が増加し、血小板凝集が抑制され血栓形成を抑制し、凝集した血塊を解離させます。
このことから、丹参製剤の冠心Ⅱ号方は中国では、狭心症・冠不全・心筋梗塞・脳梗塞などの治療や予防として活用しています。
私も、不整脈があるため毎日「イスクラ冠元顆粒」を服用して「瘀血対策」をしています。
瘀血以外にも、健康を害している要因は様々です。中医学の考えは個々の症状の特徴や体質を見極め、治療をすることと予防することを同時に行います。生涯にわたって健康で楽しく生活するためにもご自身の健康管理に目を向けてみてください。