咳が続く気管支炎、気管支喘息の漢方薬・・イスクラ麻杏止咳顆粒S

咳が続く気管支炎、気管支喘息の漢方薬・・イスクラ麻杏止咳顆粒S

気管支炎、気管支喘息に効果のある「イスクラ麻杏止咳顆粒S」をご紹介いたします。

イスクラ麻杏止咳顆粒S(第②類医薬品)

効能・効果

気管支炎、気管支喘息

成分・分量

本品1日量3包(7.5g)中、下記成分及び分量の生薬より製した麻杏止咳軟エキスS12.5gを含有します。

キキョウ・・・・6.6g
キョウニン・・・4.5g
カンゾウ・・・・3.6g
セッコウ・・・・3.6g
チンピ・・・・・3.6g
タルク・・・・・3.3g
マオウ・・・・・1.5g
※添加物としてデキストリンを含有します。

用法・用量

次の量を、1日3回、食前又は食間に服用してください。

年齢 1日の服用量 1日の服用回数
成人(15歳以上) 1包 3回
15歳未満 服用しないでください

 

使用上の注意

■相談すること
1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦又は妊娠していると思われる人。
(3)胃腸の弱い人。
(4)高齢者。
(5)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
(6)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)で軟便下痢になりやすい人。
(7)発汗傾向の著しい人。
(8)次の症状のある人。
むくみ、排尿困難
(9)次の診断を受けた人。
高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害

2.服用後,次の症状があらわれた場合は副作用の可能性がありますので,直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。

関係部位 症状
皮膚 発疹・発赤、かゆみ
消化器 吐き気、食欲不振、胃部不快感

まれに下記の重篤な症状が起こることがある。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。

症状の名称 症状
偽アルドステロン症、ミオパチー 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。

3.1ヵ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
4.長期連用する場合には、医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。

 

イスクラ産業株式会社:添付文書PDF・製品紹介ページ

製造販売元

イスクラ産業株式会社:https://www.iskra.co.jp/
〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
(お問い合わせ先:お客様相談室)
電話:03-3281-3363
受付時間:午前9時から午後5時まで(土、日、祝日を除く)

解説

止咳平喘剤

中医学では咳嗽・呼吸困難に対する処方を「止咳平喘剤」と言います。
咳嗽は、痰のない咳を”咳”、痰のあるものの咳を”嗽”と分類し、喘息を”哮喘(こうぜん)”と呼び、ゼーゼー、ヒューヒューと発作時の状態を”哮”、息苦しく断続的な呼吸を”喘”と区別します。

咳嗽も哮喘も治療は、発作期と緩解期に分けて行い、発作期はその原因が”寒・熱・痰”の違いにより、緩解期は基礎となる体質によってえらばれる漢方薬が異なります。

発作期 緩解期
発作の原因となる邪(寒・熱・痰)を除く 主に肺・脾・腎を強化し発作を予防する
発作期だけの服用 体質改善で長期服用
イスクラ麻杏止咳顆粒・清肺湯・神秘湯など 麦門冬湯・補中益気湯・滋陰降火湯など

処方生薬解説

キキョウ(桔梗)、秋の七草のひとつとして親しまれ紫色の花を咲かせ、とても太い根を持っています。薬用として使用するのは根で、消炎、鎮咳作用があり特にのどの痛みに効果があり、気管の分泌を促進して痰を取り除く、そのため扁桃炎、ニキビ、蓄膿症、中耳炎などの化膿性疾患や喘息の薬に多く配合されている生薬です。

キョウニン(杏仁)、アンズの種で咳止めとしての働きのほかに、腸を潤す働きがあるためコロコロ便の便秘に使う処方にも配合されています。
生薬名に「仁」とあるのは種のこと;他には桃仁(桃の種)、酸棗仁(棗の種)、麻子仁(麻の種)、薏苡仁(ハト麦の種)があります。

カンゾウ(甘草)、激しい咳や咽喉痛の緩解に甘草のみを使用した「甘草湯」があります。甘草は処方の中では諸薬の調和を目的として配合されることが多いのですが、生の甘草には消炎作用や鎮咳作用がありその目的として配合されています。

セッコウ(石膏)、石膏は石膏ボードなど建築材や造形材料として一般的に使用されていますが、熱邪を抑える働きがあるため発熱、ほてり、炎症を抑える目的で漢方薬に配合されます。ちなみにクレオパトラがワインを飲むのに使用した杯は天然石膏から削り出したものと言われています。

チンピ(陳皮)、みかんの皮が原料。主作用は胃腸の働きを整える働きとして胃腸薬を中心に使われますが、痰を除く働きもあるため他の咳痰中心の生薬と組み合わせて使われます。

タルク(滑石)、排尿作用と熱邪を取り除く働きがあります。含水ケイ酸マグネシウムから成る板状の粘度鉱物でベビーパウダーやフェイスパウダーによく利用されています。

マオウ(麻黄)、麻黄湯や葛根湯に使われる生薬で発汗作用、鎮咳作用、利水作用があり、組み合わせる生薬によって主となる働きが変化します。杏仁と配合することで鎮咳作用が中心として働きます。

イスクラ麻杏止咳顆粒Sの 類似配合処方に「麻杏甘石湯」「五虎湯」や「神秘湯」がありますが、これらは主に「麻黄」を主剤として鎮咳作用を中心とした処方ですが、イスクラ麻杏止咳顆粒Sは「桔梗」を主剤とした処方構成となり、桔梗湯の働きを中心として麻杏甘石湯の効能も併せ持つバランスの取れた構成となっています。

お勧めの服用方法

イスクラ麻杏止咳顆粒S、麻杏甘石湯、神秘湯、五虎湯、桔梗湯、などは発作期に使用し、症状を軽減させることが目標となるため即効性がある漢方薬です。しかし、根本的な改善を行うことはできませんので、発作が誘発されやすい体質を一緒に整えることが大切です。

その為、1日3回まで服用できますので、発作が起こりやす時間の30分~1時間前に服用しておくと安心です。胃腸の弱い人や下痢しやすい方は作用が少し弱まるかもしれませんが食後に服用するか、胃腸を整える漢方薬と併用することがお勧めです。

イスクラ麻杏止咳顆粒S 45包 4.400円(税込)