自律神経失調症 陰陽タイプ別診断

自律神経失調症 陰陽タイプ別診断

陰陽論は、中医学の基礎となる古代の中国自然哲学で、世の中すべてのものは「陰」「陽」の2つの要素から成り立っているという考え方です。

陰陽

陰陽の間には、次の性質があります。

①陰陽互根:陰陽は互いに援助し依存しあう関係
②陰陽制約:陰陽は互いに制約し、行き過ぎを制御する関係
③陰陽消長:陰陽は一定の範囲内において、常に消長を繰り返しバランスを保っている

陰陽と自律神経

陰陽と自律神経の関係は次のように分類することができます。

自律神経は、交感神経と副交感神経があり、互いに体の様々な器官において互いに拮抗し、制御し、身体を健康な状態に保つようにバランスをとっています。これは前述した陰陽の性質、関係と同じです。

陰陽のバランス4タイプ

陰陽は前述したように①互いに扶助・依存 ②互いに抑制・制約 ③一定の範囲内でバランスをとっている という状態が健康を維持できている状態と考えますが、陰陽どちらか一方が亢進あるいは衰退しすぎてしまった場合には、身体に様々な症状があらわれてきます。

※厳密には、急性症状(風邪、感染症、筋肉痛など)や「実証」と言われる病証の考え方や「病邪(六淫)」によるものは少し違いますが、「虚証」や慢性した疾患や体質においての陰陽についてタイプを分けて考えていきます。

タイプ別にあらわれやすい症状は・・

陰と陽が充実し互いにバランスが取れている状態は、心身ともに充実し安定している状態

陽の不足によく現れる症状(左上)

・元気がない
・疲れやすい
・顔色が悪い
・食欲不振
・便が柔らかい、下痢しやすい
・寒暖差に弱い
・風邪をひきやすい
・アレルギー体質
・冷え
・頻尿、夜間尿
・足腰のだるさ
・精力減退
・月経不順

陰の不足によく現れる症状(右下)

・めまい、ふらつき
・耳鳴り
・イライラしやすい
・貧血傾向
・ほてり
・乾燥肌
・睡眠の質が悪い
・爪がもろい
・こむら返り
・口や喉の乾燥
・から咳
・寝汗

陰陽の不足によく現れる症状(左下)

・元気がない
・疲れやすい
・倦怠無気力
・朝起きられない
・免疫力低下
・肌荒れ
・目のかすみ、乾燥
・冷え
・眠りが浅い
・動悸
陽の不足と陰の不足の症状が同時にあらわれるのが特徴。

不足を補う

不足しているところを補うことで正常なバランス状態にする治療を「補法(ほほう)」と呼びます。

それぞれのタイプによく使用する漢方薬をご紹介します。

陽の不足を補う代表漢方薬(左上)

六君子湯、補中益気湯、八味地黄丸

陰の不足を補う代表漢方薬(右下)

四物湯、当帰補血湯、婦宝当帰膠、六味地黄丸

陰陽の不足を補う代表漢方薬(左下)

十全大補湯、人参養栄湯、帰脾湯

上記の漢方処方はあくまでも基本となる不足病証に対する代表処方となります。
ご自分のタイプがどこに分類するのか、どんな漢方薬を服用するほうが良いのかは、必ず漢方の専門家にご相談して服用するようにしてください。

漢方薬の選び方|正気の不足【補益編】