オーダーメイド漢方薬について
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先日お客様から,「オーダーメイドとは自分に合ったものを作ってもらえるのでしょうか」というご質問がありました。
当店における「オーダーメイド漢方」の意味についてのお話です。
オーダーメイドとは
「オーダーメイド」の反対語は「レディメイド」フランス語では「プレタポルテ」と言います。
衣類業界では
オーダーメイド・・・・自分のからだのサイズにあわせて作ってもらう服のこと
プレタポルテ・・・・・着られるために準備ができている服、つまり既製服
他にも類語に
オートクチュール
パリクチュール組合(La Chambre Syndicale de la Couture Parisienne 通称サンディカ)に加盟している店が注文を受けて作る一点ものの服(「フランス語の扉を開こうペンギンと」サイト引用;https://furansu-go.com/made-to-order/)
漢方のオーダーメイドとは
漢方のオーダーメイド・・・自分の症状・体質に合わせて、漢方診断(弁証)を行い、弁証に合った漢方薬を1種類又は2.3種類組み合わせて服用すること(随証治療)
漢方のプレタポルテ・・・・効能効果・病名から判断して漢方薬を選択し服用すること(病名治療)
漢方薬は、症状・体質によって弁証(診断)し、それに適応する漢方薬を選択することが基本とする随証治療です。
また、体質だけではなく季節や女性の月経周期に合わせて漢方薬の内容を変えていくこともします。
漢方プレタポルテは、「しゃっくりには柿蒂湯」「こむら返りには芍薬甘草湯」「火傷には紫雲膏」といった病気の治療に対して、大きく体質が左右されない場合の方法です。
お客様の中には、症状・体質を聞いて、生薬一つ一つを考え選び新しい漢方薬を処方してくれるものであると思っているようですが、この方法は本場の中国や台湾などで行っている方法です。
しかし、本場の中医師でも、どんな名医であろうとも、その場で個人に合わせて新しい漢方処方の組み合わせを作るようなことは致しません。主剤となるベース処方に生薬を足し引きすることで決めています。実際にお客様から台湾の中医師による処方を見せていただきましたが、基本となる処方構成が明確であり、他の生薬の配合から病状や体質を判断することができ、日本で調合できる類似処方を作ることができました。
日本では、漢方薬処方の中身を足し引きを行うことはできませんので、足りないところを他の処方で補うといった方法になるため、漢方処方を2種類組み合わせて服用していただくことになります。
薬局製剤
現在日本では、医薬品を製造・販売するにはその安全性・有効性などが確立し、厚生労働省が認めたもの以外を製造・販売することはできません。当店で生薬を組み合わせて調合する煎じ薬や散剤は「薬局製剤業務指針」に記載されている漢方薬(216処方)です。これは、薬局製剤の製造販売の承認・許可を得た薬局で調合することができる医薬品になります。薬局内では、これに記載されていない、許可を受けていない医薬品を勝手に製造・調合して販売することはできません。
また、医薬品を販売する際には、その外袋に内容成分・分量・効能効果・服用方法・服用上の注意・製造年月日などの記載が必要となります。
まれに、お客様から他の漢方薬局で漢方薬を服用していたけれど内容が分からない、教えてもらってない、薬袋にも記載がないといったことがあります。その薬局がその漢方薬を独自に医薬品として許可をとっているのであればよいのですが、医薬品であればその表示義務がありますので、漢方薬の内容について教えてもらっていない場合には、一度確認された方がよろしいかと考えます。さらには添付文書ももらうようにすると安心です。
当店では、薬袋の裏に漢方薬の名称・内容成分・分量・効能効果・服用方法・服用上の注意・取り扱い上の注意・医薬品製造業者名(煎じ薬であれば当社)・連絡先・製造年月日の記載されたシール(添付文書)を貼っていますので安心して服用してください。
医薬品副作用被害救済制度
医薬品を正しく使ったにもかかわらず、副作用により、重篤な健康被害が発生することがあります。これに対して、医療費等を支給する制度を紹介しています。
https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/index.html
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