漢方煎じ薬とエキス剤の比較

漢方煎じ薬とエキス剤の比較

 漢方薬の剤形には、煎じ薬、丸剤、散剤、エキス剤、シロップ剤、錠剤、カプセル剤、外用剤があります。当店での内服する漢方薬は主に煎じ薬、エキス剤をお客様の症状や体質に合わせて調合いたしております。

 お客様から煎じ薬とエキス剤の違いについて問われることがあるので、それぞれの違いについてご紹介いたします。

煎じ薬

煎じ薬は、当店では一日分をサンビロンと呼ばれる袋に入れてお渡ししております。

【漢方薬の煎じ方・飲み方】
①漢方薬1袋と水約500mlを土瓶又は土鍋などの容器に入れる
②沸騰するまで強火
③沸騰したら弱火で30分間、煮詰める
④煎じた液だけを別の容器に移します(コップや水筒など)
⑤煎じた液体を2~3回に分けて服用
『注意事項』
煎じる容器は、土瓶か土鍋が一番良いのですが、ご用意できない場合にはガラス容器やステンレスやホーローケトルでも問題ありません。ただし、漢方薬の種類によっては鉄や銅などの金属類を嫌うものもあるので鉄や銅のなべやヤカンの使用は避けてください

亀甲土瓶 1.5リットル 2650円(税抜)、2.0リットル 3850円(税抜)

エキス剤

エキス剤は生薬からエキスを抽出し、賦形剤として乳糖やデンプンなどを加え、顆粒状や細粒状にしたもので、コーヒー豆が煎じ薬でインスタントがエキス剤に相当すると例えられます。

当店では、お客様に合わせて必要な分量を計量して、分包機を使って分包しています。
1日2~3回 1回1包服用します。

煎じ薬とエキス剤の比較

特性 煎じ薬 エキス剤
メリット ・薬草の風味を感じることができる
・患者さんの治療意欲が高まる
・処方によっては煎じ方の調整により、薬効を調整できる
・処方が変わっても服用量は変わらない
・個々の症状や体質に合わせて調合できる
・二番煎じをお茶として、入浴剤として使用できる
・煎じかすは園芸の肥料になる
・携帯に便利(旅先でも飲める)
・味やにおいが少なく飲みやすい
・白湯があればどこでも飲める
・製造ロットが同じであれば品質のばらつきが少ない


デメリット ・煎じるのに手間がかかる
・味やにおいが気になることがある
・持ち運びには水筒が必要
・湿気に弱い(固まる)
・粉が苦手な場合はオブラートなどが必要
・処方内の生薬の分量・割合を変えられない
・同一処方でも製造メーカーによって配合が異なる

と思い当たることを分けて記入してみました。

が・・・・

良く問われるのは

煎じ薬とエキス剤で効果に違いはあるのか

服用する方にとって一番気になる点です。
お答えとしては「違いはありません」

なのですが、厳密には処方名でもわかる通り
「~湯」は煎じ薬
「~散」は原末
「~丸」は丸薬
として使用することが最大の薬効が期待できます。

が、一番大切なのは継続して服用することです。

漢方薬は即効性を期待する処方もありますが、慢性疾患の改善や養生(健康維持、予防、アンチエイジングなど)として期待されている治療方法ですので、飲んだり飲まなかったりでは期待できる効果も薄くなります。

継続的に続けられる剤型を選ぶことが大切です。