疲れ顔や老け顔にみられる「目の下のクマ」対策
疲れ顔や老け顔にみられるので「目の下のクマ」を何とかしたいというご相談があります。
「目の下のクマ」は、美容面でも気になるものですが、その原因は老化だけではなく体質の乱れが原因として現れていることがあります。「目の下のクマ」について中医学の捉え方と対策方法をご紹介いたします。
目の下に何故クマができるのか
目の下にクマには種類があります。できている色によって分けると
青クマ:血行不良によるもの
赤クマ・黒クマ:目の下のふくらみ、たるみが原因
茶クマ:日焼けや皮膚刺激による色素沈着
となります。
中医学での捉え方
目の下のクマを中医学では「瘀血(おけつ)」という状態が原因のひとつと捉えています。
「瘀血」とは主に
・血液の質の低下(ドロドロ血)
・血行不良、循環障害
・出血
・持続的炎症
といった状態を指しています。
瘀血の主な症状
瘀血の3大症状は、
①痛み:固定制の痛みで、刺すような痛み
②出血:内出血、鼻血、不正出血、目の充血
③しこり:血腫や嚢腫、こりや張り
このほかに舌の裏の静脈がくっきり太く現れている場合や頭痛、肩こり、食後の眠気、睡眠が浅い、イライラなど様々な症状が瘀血と関連しています。
瘀血の問題は毛細血管にある
瘀血とは主に毛細血管の血液循環が悪くなっている状態です。血管には動脈、静脈、毛細血管とあり、血管の99%は毛細血管で占められ、その長さを合わせると地球2周半(約10万キロメートル)もの長さになります。
血管は酸素や栄養を運び新陳代謝を促進させ、二酸化炭素や不要物・老廃物を回収する大切な通路です。毛細血管が衰えて減少したり、血行不良が起こると細胞に酸素や栄養が運ばれなくなり、老廃物の回収もできなくなります。その為に新陳代謝の低下が起こり老化が進みます。
目の周りには毛細血管が多く、皮膚も薄いため血行不良になると血管の状態が透けて見えてしまうのです。
目のクマは瘀血改善のサイン?
目の下のクマの他に頭痛や肩こりも瘀血状態であるサインでもありますが、これらの症状があるということは見えない毛細血管の流れも悪くなっていると考えましょう。
女性の場合は、婦人科疾患である月経痛、月経不順、不正出血、更年期障害、排卵障害、着床障害などは瘀血と関連が深いため、これらの症状やお悩みがある場合は瘀血があると考えましょう。
また、糖尿病、高血圧、腎臓病、眼科疾患、アレルギーなども瘀血との関連がありますので、病気の治療・予防のためにも瘀血の改善は大切です。
瘀血を改善
瘀血の改善する薬を「活血化瘀薬」といいます。
代表的な処方は
・血府逐瘀丸
・冠心Ⅱ号方
・芎帰調血飲
・桃核承気湯
・桂枝茯苓丸(加薏苡仁)
・通導散
などです。
クマ対策の代表処方
目の下のクマやシミ、肌荒れ、月経痛などの瘀血の改善によく使われる漢方薬は、桂枝茯苓丸料加薏苡仁湯(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)で、桂枝茯苓丸に薏苡仁(よくいにん)いわゆるハトムギを加えた処方です。
ハトムギは化粧水にも使用される美肌成分でもあり、いぼ取り、むくみ対策の民間薬として親しまれている生薬です。
病気と瘀血は関係ある
古くから「瘀血は万病のもと」と言われています。病気になる原因が瘀血でもあり、病気を発生させ慢性化させるのも瘀血が関係しています。
毛細血管の流れが悪くなる原因は様々ですが、加齢とともに低下してくるのも事実ですので、40歳を過ぎたら「瘀血対策」をお勧めいたします。
ご自分に合った「瘀血」対策を始めてみませんか、体質に合わせてご提案していますのでお気軽にご相談ください。
-
前の記事
漢方煎じ薬とエキス剤の比較 2024.05.13
-
次の記事
アキュアンで始める 新・育毛習慣 2024.07.09