夏バテ対策のお勧め漢方薬Part2「清暑益気湯」

夏バテ対策のお勧め漢方薬Part2「清暑益気湯」

夏バテは、夏の暑さによる体調不良を指します。特に高温多湿な環境が続くと、体温調節機能がうまく働かなくなり、体調に影響を与えることがあります。

前回は「生脈散/麦味参顆粒」をご紹介いたしましたが、今回は「清暑益気湯」をご紹介いたします。

夏バテ症状

夏バテの症状は多岐にわたりますが、一般的には以下のようなものが見られます

  1. 疲労感: 体がだるく、疲れやすい状態が続く
  2. 食欲不振: 暑さで食欲が減退し、食べ物を摂るのが難しくなる
  3. 消化不良: 暑さで胃腸の働きが鈍くなり、消化不良や胃もたれが起こる
  4. 頭痛: 暑さによる血管の拡張や脱水症状が原因で、頭痛を感じる
  5. めまい・立ちくらみ: 体温調節がうまくいかず、立ちくらみやめまいを感じる
  6. イライラ感: 暑さによるストレスが原因で、気分が落ち着かない

などがよく現れる症状です。

夏バテを予防するためには、適度な水分補給や栄養バランスの取れた食事、適度な休息や睡眠が重要です。また、冷房を使いすぎて身体を冷やし過ぎないようにして、夕方や早朝に散歩して適度に発汗を促すことも大切です。

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

夏バテを予防していても、激しい暑さが続き、睡眠や休息が不足し、食欲不振、倦怠感、下痢などの症状に悩まされている場合には漢方薬で改善し予防することもお勧めします。

また、普段から胃腸が弱く、食後に倦怠感、眠気が起こりやすく、夏に食欲が低下し、軟便になりやすい傾向の方にも夏バテの養生薬として有効です。

清暑益気湯という処方は、異なる配合内容で3種類ありますが、日本で主に利用されている処方構成でご紹介いたします。

成分

人参(ニンジン)
白朮(ビャクジュツ)
麦門冬(バクモンドウ)
当帰(トウキ)
黄耆(オウギ)
陳皮(チンピ)
五味子(ゴミシ)
黄柏(ゴウバク)
甘草(カンゾウ)
の9種類の生薬から構成されています。

配合の特徴は、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)から柴胡、升麻、生姜、大棗を除いて生脈散/麦味参顆粒の五味子、麦門冬を加えた処方構成となっています。

夏バテ対策におすすめの漢方薬.「生脈散/麦味参顆粒」

効能効果

体力虚弱で、疲れやすく、食欲不振、ときに口渇などがあるものの次の諸症:
暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢、夏やせ、全身倦怠、慢性疾患による体力低下・食欲不振

処方構成からも、生脈散/麦味参顆粒に補中益気湯を加えた形となるので、普段から胃腸が弱い傾向の方は清暑益気湯か、生脈散/麦味参顆粒に補中益気湯や六君子湯などの胃腸の働きを整える処方を一緒に服用されるとよいでしょう。


夏の健康被害で多いのが熱中症です。認知をしていても自分は大丈夫と過信していたり、予防策が不足していたりすると体調を崩すことになりかねません。

特に高齢者や小児は体調を維持する働きが成人に比べ弱いので十分に備えておきましょう。
楽しい、思い出に残る夏休みをお過ごしください。