畑や庭でよく見る雑草「スベリヒユ」はスーパーフード!?

畑や庭でよく見る雑草「スベリヒユ」はスーパーフード!?

畑や庭でよく見かける雑草「スベリヒユ」。
ただの雑草ではなく栄養価が高く、抗菌作用や解毒作用があるスーパーフードです。8月ごろには黄色い花をつけ、一日花で晴れた日の午前中に開花します。

開花後に先の尖った円形の果実ができ、熟すと上側が蓋のように取れて、中からたくさんの細かい種子が落ちます。

和名は「滑りヒユ」の意で、茎葉をゆでて食べるとぬめりがあってなめらかであるためと言われています。

食用としては、お浸しや和え物、汁の実などに利用されることが多く、東北地方では市販されていると聞いたことがあります。

薬用としての生薬名は「馬歯莧(ばしけん)」といいます。
全草を採取して水洗いして日干しにしたものを煎じて服用します。利尿作用があるのでむくみに良いとされています。また、生の葉を煎じて、その煎じ液をニキビにつけて洗うと治療効果があるといいます。

五行草(ごぎょうそう)

中国では、葉が「緑色」、花が「黄色」、根が「白色」、茎が「赤色」、種子が「黒色」と五つの色を持つことから「五行草(ごぎょうそう)」と呼ばれています。

抗菌作用、解毒作用、消炎作用、利尿作用、抗アレルギー作用があることから、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患や繰り返す膀胱炎や尿道炎に利用されています。

薬草を自分で採取して乾燥させるのはとても手間がかかるため、薬草として摂取したい場合には健康食品になっているものが便利です。粉末化してあるのでお水やお茶と一緒に簡単に服用できます。

食用時の注意

スベリヒユはホウレン草やモロヘイヤに似ていて、酸味と粘りが特徴です。
酸味の正体は「シュウ酸」、食べ物のアクの素になっている成分です。カルシウムや鉄分の吸収を阻害する働きがあります。

シュウ酸の摂り過ぎは、尿路結石の原因となるため、腎臓が弱い方や結石の既往歴のある方には注意が必要です。

ただし、シュウ酸は水に溶けるので生で食べずに茹でて使用し、さらに鰹節などカルシウムを含むものと一緒に摂取するとシュウ酸とカルシウムがくっついて体内に吸収されにくくなるので、心配な方は鰹節と和えるのがお勧めです。


「〇〇という食材が△△病やこんな症状の改善に良い」と聞くとインパクトもありますが、どんなものでもこれで完璧というものはありません。全体的なバランスが大切です。肉も野菜も魚も酒もおいしく楽しく、腹八分を目指しましょう。