中医学で整える心と体の健康 第5回 脾胃を整えよう

中医学で整える心と体の健康 第5回 脾胃を整えよう

 中医学では、「脾胃(ひい)」は生命活動の源と考えられ、食物を消化・吸収し、気血を生み出す重要な役割を担っています。現代の生活習慣において、この「脾胃」の働きが弱まることでさまざまな不調が引き起こされると考えられています。

 心と体の健康の第一歩は脾胃を整えることから考えてみましょう。

脾胃の働きとは?

 中医学では「脾は運化を主る、胃は受納を主る」と言われます。簡単に説明すると、胃は食べ物を受け入れ、それを分解し、脾が栄養を吸収して全身に運びます。この機能が正常に働くことで、エネルギー(気)や血が生成され、健康を維持することができます。

脾胃が弱るとどうなる?

脾胃の機能が低下すると、以下のような症状が現れることがあります。

・消化不良・胃もたれ:食べたものがスムーズに消化されず、胃の不快感が続く。
・疲れやすい:気血の生成が滞り、全身のエネルギーが不足する。
むくみやすい:水分代謝が悪化し、体内に余分な水分がたまる。
・下痢や便秘:脾の運化機能が低下し、腸内環境が乱れる。

脾胃を整えると心と体は元気になる

脾胃が弱まると様々な消化器症状があらわれますが、弱った状態を放置しておくと「気血の不足」や「痰湿の生成」が続くことになり、他の臓腑に影響を与え様々な疾患発症の原因となります。

脾胃を整えると、空腹感が起こり、食事がおいしく、便通も整い免疫力も向上することで、心も体も元気になってきます。

脾胃を養うための養生法

脾胃を健やかに保つためには、以下のような生活習慣を心がけることが大切です。

1.温かい食事を摂る
脾胃は冷えに弱いため、冷たい飲食物は避け、温かいものを中心にしましょう。

2.よく噛んで食べる
消化を助け、脾胃への負担を減らすために、ゆっくり噛んで食べることが重要です。

3.暴飲暴食を避ける
一度に大量の食事を摂ると、脾胃の負担が大きくなり、消化機能が低下します。

4.ストレスを溜めない
過度なストレスは脾胃の働きを妨げるため、リラックスする時間を持つことが大切です。

5.漢方薬を活用する
脾胃の機能を補う漢方薬には、六君子湯(りっくんしとう)補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などがあります。体質や症状に合わせて活用してみましょう。

まとめ

 脾胃の健康を保つことは、全身のエネルギーを維持し、さまざまな不調を防ぐことにつながります。日頃の食生活や生活習慣を見直し、脾胃を労わることを意識してみてください。

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