頑張りすぎていませんか?疲れた心と体に癒しを・・・肝の養生で健康回復

頑張りすぎていませんか?疲れた心と体に癒しを・・・肝の養生で健康回復

 「毎日、仕事や家事に追われている」「周囲の期待に応えようと頑張りすぎている」——そんな風に、疲れを感じながらも立ち止まれずにいる方はいませんか?
 現代社会では、ストレスや過労、睡眠不足などによって、心や体に不調を感じる方が増えています。これらの不調の根本には、中医学において五臓「肝(かん)」と呼ばれる臓器の働きが大きく関わっているかもしれません。

 中医学には「肝は罷極(ひきょく)の本」という言葉があります。この言葉には、「肝は疲労やエネルギーの限界に深く関係する」という意味が込められています。肝は私たちの心と体のバランスを整える重要な役割を担っていますが、過度なストレスや無理が続くと、その働きが滞り、さまざまな不調が現れることがあります。

 しかし、肝をいたわり養生することで、不調を改善し、心身のバランスを取り戻すことができます。このサイトでは、「肝は罷極の本」という視点から、肝の働きを整え、頑張りすぎない健康的な生活を送るためのヒントをお届けします。

ストレスに負けない体づくりを一緒に目指してみませんか?

五臓「肝」とはなにか?

肝の役割を知ろう

 中医学における「肝(かん)」は、単なる臓器としての肝臓の働きだけでなく、心身全体のバランスや調和に深く関与する機能を持つと考えられています。「肝」は、五臓六腑の中でも特に重要な役割を果たし、その働きは以下の3つに大きく分けられます。

1.疏泄(そせつ):気の流れをスムーズにする

 肝は、体内の「気(生命エネルギー)」の流れを調整する役割を持っています。気の流れがスムーズであれば、感情は穏やかになり、内臓機能も正常に働きます。しかし、ストレスや抑圧された感情が続くと、肝の疏泄機能が滞り、「気滞(きたい)」と呼ばれる状態が発生します。この結果、以下のような症状が現れます:

  • イライラ、怒りっぽいなどの情緒不安定
  • 胸や喉のつかえ感(梅核気)
  • 消化不良や食欲不振

肝の疏泄は、特に現代のストレス社会において重要視される機能です。

2. 蔵血(ぞうけつ):血を蓄え、調整する

 肝は血液を蓄えると同時に、必要に応じて血液を全身に供給する調整役を担っています。この働きにより、以下のような作用が保たれます:

  • 目や筋肉、腱への栄養供給
  • 睡眠中の血液の蓄積と体の修復
  • 月経周期の調整

肝の血が不足すると「肝血虚(かんけっきょ)」という状態になり、以下のような症状が出やすくなります:

  • 目のかすみ、疲れ目
  • 手足のしびれや筋肉のけいれん
  • 月経不順や経血量の減少

女性の月経の悩みで多いのが「PMS」。PMSの多くの症状が「肝」の疏泄と蔵血の機能と関連すると考えます。肝を養生することで気血の流れをスムーズにし、PMSの症状を軽減することが可能です。

3. 情志(じょうし):感情との深い関係

 肝は感情、特に「怒り」と強く結びついています。肝が健やかであれば、感情の起伏は少なく穏やかでいられますが、肝の働きが乱れると以下のような情緒面の不調が起こります:

  • 怒りやすい、ストレスを感じやすい
  • 精神的な不安定や気分の落ち込み
  • 集中力の低下

肝と全身のつながり

 中医学では、「肝は筋を主る」「肝は目に開竅(かいきょう)する」とも言われます。これは、肝が筋肉や腱の健康、そして目の機能を支えていることを意味します。肝の不調があると、以下のような全身的な影響が出ることがあります。

  • 筋肉の硬直やけいれん、運動時の疲労感
  • 目のかすみ、乾燥、視力低下

他の五臓との関係

 中医学では五臓(肝・心・脾・肺・腎)は互いに密接に関係し、体全体の調和を保っています。以下に「肝」と他の五臓との関係、バランスが崩れたときに現れる症状や疾患をまとめます。

1. 肝と心(しん)との関係 
  • 肝は血を蔵し、心は血を巡らせる働きを担います。肝が十分に血を蓄えることで、心の精神活動(神志)が安定します。
  • 肝と心は「木生火」の関係(五行理論)で、肝は心を助ける役割を持ちます。

肝と心の関係が乱れると次のような症状や疾患が関係していきます。

  • 肝血不足が心を養えない:不眠、動悸、不安感
  • ストレスで肝気が高ぶり心を乱す:イライラ、不安、胸痛、精神的な緊張
  • 関連する疾患:不眠症、心悸亢進、不整脈、パニック障害
2. 肝と脾(ひ)との関係
  • 肝の疏泄(気の流れを調整する機能)は脾胃(消化器系)の働きをサポートします。
  • 脾胃は飲食物を消化吸収し、肝に気血の原料を供給します。

肝と脾の関係が乱れると次のような症状や疾患が関係していきます。

  • 肝の気滞が脾胃を妨げる:食欲不振、胃のつかえ、腹部膨満感、下痢や便秘。
  • 脾の弱りが肝を養えない:疲れやすい、消化不良、イライラ。
  • 関連する疾患:過敏性腸症候群(IBS)、食欲不振、消化不良。
3. 肝と肺(はい)との関係
  • 肺は気を全身に巡らせ、肝の疏泄を助けます。
  • 肝の気がスムーズに流れることで、肺の呼吸機能も保たれます。

肝と肺の関係が乱れると次のような症状や疾患が関係していきます。

  • 肝気鬱結(肝の気の滞り)で肺に影響:ため息、息苦しさ、咳。
  • 肺の弱りで肝を助けられない:感情が抑えられない、イライラしやすい。
  • 関連する疾患:気管支喘息、ため息や深呼吸をしたくなる症状。
4. 肝と腎(じん)との関係
  • 肝は血を蔵し、腎は精を蓄えます。血と精は互いに補い合う関係にあります。
  • 肝血が十分であれば腎を助け、腎精が豊富であれば肝の働きも保たれます。

肝と腎の関係が乱れると次のような症状や疾患が関係していきます。

  • 肝血不足が腎精を弱らせる:めまい、耳鳴り、視力低下、不妊。
  • 腎精不足が肝を弱らせる:腰痛、疲労感、脱毛。
  • 関連する疾患:更年期障害、目の疲れや視力低下、耳鳴り、不妊症。
5. 肝と肝自身の関係(肝そのものの調和)
  • 肝は全身の気血の流れや感情を調整します。肝自身が乱れると、他の五臓にも影響が及びます。

肝と肝自身の関係が乱れると次のような症状や疾患が関係していきます。

  • 肝火上炎(肝の熱が高ぶる):頭痛、顔の赤み、めまい、怒りっぽさ。
  • 肝陽上亢(肝の陽気が過剰):めまい、高血圧、耳鳴り。
  • 肝血虚(肝の血不足):筋肉のけいれん、目の乾燥、月経不順。
  • 関連する疾患:高血圧、偏頭痛、目の疾患、筋肉の痙攣など。

肝を健やかに保つための養生ポイント

 肝は五臓の中でも感情や気血の流れを調整する中枢的な役割を担っています。しかし、肝の働きが弱まったり乱れたりすると、他の五臓に影響を与え、さまざまな症状や疾患を引き起こします。そのため、肝を養生することは、五臓全体の調和を保つ重要なポイントとなります。

  • ストレス解消:リラックスできる時間を作り、感情を抑え込まない。
  • 規則正しい生活:夜更かしを避け、十分な睡眠をとる。
  • 食養生:肝に良い食品(緑色野菜、梅干し、黒ゴマなど)を積極的に摂取する。
  • 軽い運動:体を動かして気血の流れを整える。

 中医学の「肝」は、身体的な働きだけでなく、感情や精神状態とも密接に関わっています。そのため、肝の健康を守ることは、全身の健康を支える重要な鍵となります。

こんな時に漢方薬

 現代のストレス社会では、日々の忙しさや心身の負担が知らず知らずのうちに「肝」の働きを乱してしまうことがあります。これまで説明した通り、中医学では「肝」は気(エネルギー)の巡りや血の流れ、感情の調整を司る大切な臓器です。

  • 慢性的な心身の不調で悩んでいる
  • 気になる症状が増えてきている
  • 休息を取っても回復しにくい

という方は、ぜひ漢方のご相談をおすすめします。

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