中医学で整える心と体の健康 第3回「中医学の漢方薬の選び方の基本はオーダーメイド」

中医学で整える心と体の健康 第3回「中医学の漢方薬の選び方の基本はオーダーメイド」

中医学の基本「弁証論治」とは 

 中医学や漢方の治療でよく耳にする「弁証論治」という言葉。これは、治療の基本的な考え方です。一言で言えば、「その人の体調や症状を詳しく見極め、それに合った治療法を考えて薬を選び、配合バランスを調整する」ということです。

もっと簡単に言うと、病気を「原因や体質に合わせてオーダーメイドで治療する」考え方です。

弁証(べんしょう)

患者さんの体の状態や症状を詳しく分析し、「原因や体のバランスの乱れ」を見極めることが弁証です。
例えば、同じ「頭痛」でも、原因は人によって異なります。
・冷えが原因なのか
ストレスで気が滞っているのか
血の流れが悪いのか
このように、一人ひとり異なる原因を細かく探るのが弁証のステップです。

論治(ろんち)

弁証でわかった原因や体の状態をもとに、最適な治療法や処方、配合量を考えるのが論治です。
たとえば、
・冷えが原因なら「体を温める漢方薬」
・ストレスが原因なら「気の巡りを良くする漢方薬」
このように、一人ひとりの症状や体質に合わせた治療を行います。

弁証論治⇔カウンセリングを繰り返す

 漢方治療では、初回のカウンセリングで伺った体の状態に基づいて処方を行いますが、それで終わりではありません。漢方薬を服用していただき、その後の変化を確認しながら、治療を進めます。
この「弁証論治」と「カウンセリング」の繰り返しによって、より正確で効果的な治療へと導いていきます。

弁証論治の特徴

・個別対応:全員に同じ薬を出すのではなく、一人ひとりに合った方法を考えます。
・根本治療:症状を抑えるだけでなく、体全体のバランスを整えることを目指します。

このように、弁証論治は「その人の体質や状態に合わせた治療をする」という考え方です。これこそが、漢方治療がその人にピッタリ合いやすい理由でもあります。

もし気になることや疑問があれば、ぜひお気軽にご相談くださいね。


【中医学で整える心と体の健康】
・第1回:症状は体からのサイン
・第2回:身体を守り邪気を追い払う!「扶正袪邪」の考え方