〜漢方で夏を元気に過ごす養生薬〜

〜漢方で夏を元気に過ごす養生薬〜

暑さが本格的になると、「身体がだるい」「食欲がない」「外に出るのもおっくう」「寝ても疲れが取れない」などの体調不良を感じる方が増えてきます。これらは「夏バテ」とよばれる状態で、漢方では「暑邪(しょじゃ)」や「湿邪(しつじゃ)」の影響と考えます。

そんなときにおすすめな漢方薬をご紹介いたします。

清暑益気湯(せいしょえっきとう)

清暑益気湯は、古くから使われてきた夏の体調不良に対応する漢方薬です。特に、汗をかきすぎて体力(気と津液)を消耗した方、暑さで胃腸の働きが弱って食欲がない方、夏になると決まって体調を崩してしまう方に向いています。

【こんな体質の方に】

・暑さに弱く、すぐにバテてしまう
・汗をかきやすく、のぼせやすい
・食が細く、冷たい物ばかり欲しくなる
・胃腸が弱く、夏になると下痢や胃もたれを起こしやすい
・もともと体力があまりなく、疲れやすい

【こんなお仕事・生活環境の方に】

・屋外での仕事や移動が多く、汗をかきやすい(建設業、配達業、農業など)
・室内外の温度差が激しい職場で働いている(コンビニ、スーパー、百貨店など)
・エアコンの効いた室内で長時間座っている(事務職・在宅ワーク・パソコン作業)
・食事の時間が不規則で、冷たい飲食物が中心になりがち
・睡眠時間が短く、疲れがなかなか取れない
・高齢の方や、もともと虚弱体質の方で、夏になると体調を崩しやすい

【日常生活でのこんなときにも】

・夏の旅行や帰省、イベント前後の体調管理に
・猛暑や熱帯夜が続いて体力の消耗が気になる
・子どもの夏休み中、家事や育児で疲労が蓄積しているとき
・スポーツや部活後の疲れや脱水気味な状態に


「夏になると、なぜか毎年同じように不調になる」
「冷たいものが欲しくなるけど、あとでお腹を壊す」
「エアコンの中にずっといて、外に出るとふらっとする」

このような体験がある方には、清暑益気湯などの漢方による夏の養生がとても役立ちます。

清暑益気湯の特徴

【構成生薬】
人参・白朮・麦門冬・当帰・黄耆・陳皮・五味子・黄柏・甘草

人参・黄耆・白朮などの「気を補う薬」、麦門冬・五味子などの「体の水分を守る薬」、当帰や陳皮などの「血や気の巡りをよくする薬」が組み合わされています。

「気(エネルギー)」と「津液(体の潤い)」の両方を補い、夏の暑さによる体調の崩れを整えることが特徴です。

清暑益気湯の簡易版 イスクラ麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)

清暑益気湯よりも、もう少しシンプルな構成の漢方薬として、イスクラ麦味参顆粒(生脈散”しょうみゃくさん”)もご紹介します。

「生脈」とは「脈(いのち)を生ずる」という意味で、暑さや脱水で失われた体力や水分を補う処方です。

【構成生薬】
・人参(にんじん)…元気を補う
・麦門冬(ばくもんどう)…体の潤いを保つ
・五味子(ごみし)…汗の出すぎを抑えて体液を守る

【こんなときに】
・汗をかきすぎて疲れが抜けない
・軽い脱水症状が心配
・暑い場所での作業や運動後の体調管理
・息切れや動悸、口の渇きが気になるとき

清暑益気湯よりも構成が少なく、胃腸への負担が少ないため、体力があまりない方やお子さまにも使いやすい場合があります。

その疲れに効く!イスクラ麦味参顆粒【第3類医薬品】・・栄養ドリンクよりもお買い得!!

どちらを選べばいい?

・「全身のだるさ、胃腸の疲れ、暑さによる不調が複合している」→ 清暑益気湯
・「とにかく脱水と体力の回復を早くしたい」→ 生脈散

どちらも、服用する方の体質や症状、現在の体調状態に合わせて選ぶことが大切です。

ご相談ください

みなみ野漢方薬局では、体質や今の状態をうかがったうえで、適切な漢方薬をご提案しております。
清暑益気湯や麦味参顆粒がご自身に合うかどうか、また他の漢方薬との併用についても丁寧にお話を伺いながらご案内いたします。

お気軽にご相談ください。

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