気血水(津液)精について知る
中医学の基礎(気・血・津液・精)
「気」「血」「水(津液)」「精」の4つの要素は、人が生きていくために必要な基本的な物質です。「気」は目には見えないエネルギーであり『陽』に属し、ほかの3要素は全身に栄養や潤いを与えてくれる物質で『陰』に属しています。
・陰陽とは・・・陰陽論
気とは何か
気は、私たちの体に必要なエネルギーで、絶えず動き、からだを温めたり、血などを全身に循環させていく働きがあります。気は「経絡(けいらく)」を通り道として全身のあらゆるところを巡ることができます。
気のはたらきやバランスの乱れは、五臓のそれぞれの働きの低下を招き、疲れやすい、風邪をひきやすい、汗が出ない、食欲不振、便がスッキリ出ない、おなかが張る、移動性の痛みなど症状があらわれてきます
血とは何か
血は、栄養を豊富に含み酸素などを全身へ運ぶ、現代医学の血液と同じような働きをしていますが、思考や判断・感情などの精神面の活動にも必要な物質として考えています。血は気の働きによって生まれ・全身を巡り・精に変化をします。
血のはたらきやバランスの乱れは、手足の冷え、めまい、立ちくらみ、美容機能の低下、気力の低下、眠りが浅い、不安感、生殖器機能異常、頭痛、肩こり、固定制の痛みなどの症状があらわれてきます
水(津液)とは何か
津液は、からだに必要な水分のことで、その特徴から「津」と「液」に分けていますが、一般的に区別せずに津液あるいは水と読んでいます。胃液、唾液などの消化液、関節や臓腑を潤し体の動きをしなやかにしてくれます。
津液は血とお互いに変化しあっている関係であるため、津液の不足は血の不足を招き、血の不足は津液の不足を招きます。
精とは何か
精は生殖機能と深く関係しています。特に「腎精」が不足すると成長・発育に遅れが出たり、成熟期では排卵障害、不妊、精子運動率低下、精子数減少さらには老化のスピードが速まり、脱毛、骨粗鬆症などが起こります。
その他に、精には免疫力とかかわりがあるために、不足すると病気にかかりやすく、治りにくくなります。
気血津液精の関係性
気が「陽」、血・津液・精が「陰」の陰陽関係がありますので、相互に依存し制約を受けている関係がありますが、陰の血・津液・精も互いに変化しあいバランスを取り合うことで調和をはかっています。
中医学では、体調にあらわれている変化や特徴から、気・血・津液・精がどのようにバランスを乱しているのかを問診を通して判断していきます。
その為、同じ症状でも原因が違えば治療方法も異なります。例えば、むくみがあらわれている場合、ただ単に「水」の働きが停滞して起こっている場合もあれば、「気」の不足が循環力の低下になり「水」の停滞を生じさせている場合、「血」の不足が「水」のバランスを乱してしまっている場合、五臓六腑の働きの低下が原因している場合など、症状には様々な原因があるので漢方相談では全体的な体調を詳しくお伺いする必要があるのです。
-
前の記事
産後の体調不良・不眠・耳鳴り 2018.10.08
-
次の記事
煎じ薬とは 2018.10.12