冷え対策の漢方薬は〇〇!!
昔から『冷えは万病のもと』と言われるぐらい、身体が冷えることは様々な病気や症状を引き起こす原因と考えられています。
冷え対策として、ヒーテック、ホカロン、マフラー、ハーブティー、鍼灸、岩盤浴など様々な対策がありますが、なかなか温まらない、常に冷えているとお悩みではありませんか。
カラダ・手足の先・腰が冷えているのは外気温が低いだけではなく、冷えやすい体質=冷え性が原因しているのです。
ここでは慢性的に冷えでお悩みの方に対して、中医学による冷え体質のタイプと改善方法、養生方法をご紹介します。
冷えについて
冷えは改善した方が良いのか
冷えている原因を考えたことがありますか。
いっぱい着込んでいるのに寒くてしょうがないから原因なんてわからない。
漢方相談で体質をお伺いした時に冷えの悩みを持っている方がとても多いのですが、改善したいが改善できない悩みとしてあきらめている方が多いと感じます。
詳しくお伺いしてみると中には、冷えていることで寝つきが悪い、痛みやしびれを感じる、毎年しもやけになるなど深刻な症状の方もいます。
ご本人は、お悩みの症状や病気(自律神経失調、月経不順や皮膚病、胃腸症状など)が冷えと関連がないと考えている場合が多いのですが、原因は「冷え」のことがあります。
「冷え」を改善することで今まで悩んでいた体調を良くすることにつながります。しっかりと改善することを考えていきましょう。
冷えと関連のある疾患
冷えは万病のもとですので、ほとんどの疾患と関連があると言えますが、主には以下のような病気や症状は、冷えが原因することがあると考えられています。
他にも様々な疾患や症状が冷えと関連しています。
冷えの悩みは女性が多い
冷えは血圧や血液検検査のように数値で表すことができないもので、自覚していなければ冷えやすい体質であることに気づかないこともあります。
冷えのお悩みを訴える方の割合は、女性が多いのですが、それは女性の体はホルモンの変化によって体温が変動したり、男性よりも筋肉量が少ない、貧血や低血圧の傾向が多いことから外気温の変化を感じ取りやすく、寒冷により体が冷えやすいと考えられます。
中医学から見る冷えとは
冷えの原因は寒邪(かんじゃ)
中医学では、寒がる、悪寒、四肢の冷え、温熱を好み寒冷を嫌う状態を「寒証」と呼んでいます。
冷え症状=寒証
寒証を引き起こす原因は「寒邪(かんじゃ)」。
外気温の低下は「寒邪」となり、陽気(ようき)を損傷しやすく、陽気が損傷した状態の陽虚(ようきょ)となり寒邪が侵襲しやすいために寒証(冷え)へとつながります。
その他、陽気がもともと不足した状態である「陽虚(ようきょ)」によって寒邪が侵入しやすい状態であったり、内側から発生する「内寒」によっても寒証になります。
陽気の不足(陽虚)はどうして起こる
中医学の概念で、身体を構成している物質を「気・血・津液・精」と考え、気の不足を気虚(ききょ)と呼び、気虚に身体を温める力(温煦作用)が不足した状態を「陽虚(ようきょ)」と呼びます。(ウイルスや細菌から体を防衛する働きが低下した状態を衛気虚と言います。)
気虚+温める働きの低下=陽虚
つまりは、陽虚は気虚が原因しているのです。
気虚になる原因は、先天的虚弱体質、老化、栄養不良、疲労、不摂生な生活、ストレス、慢性疾患、薬剤、環境などが影響しあっています。
原因となるものを、ひとつひとつを改善させることが大切なのですが、無意識のうちに気虚・陽虚を引き起こしている状態であったり、陽虚体質として固まってしまっている場合には、生活習慣を改善してもすぐに冷えを改善させることが困難となります。
体質は悪循環を招く
陽虚となると、身体を温める働きが低下した状態であるため、五臓の働き、血・津液・精の働きも衰えさせてしまいます。
・陽虚により五臓の「脾胃」が弱まれば、気・血・津液・精をうまく作ることができず、それぞれの不足を生む
・陽虚は、血・津液の流れがを悪くしてしまうために、五臓の働きの低下をまねく
それぞれの逆もあり、ストレスなどによって血・津液の流れが悪くなれば、五臓の働きを低下させ気の不足を招き陽虚となる。脾胃が弱まれば気血などを作れなくなり陽虚となる。
体調を整えるためには悪循環を抑え、体質を改善することが大切なのです。
冷えを改善するための漢方薬
寒証(冷え)を改善するためには、冷えやすい体質になってしまった原因から整えていきましょう。あなたはどのタイプでしょうか。
血虚タイプ
多くの女性がこのタイプに当てはまります。
血虚と呼ばれる体質は、様々な症状を引き起こします。あなたはいくつ当てはまりますか。
□ 顔色が悪い | □ 四肢のしびれ感 |
□ 皮ふにツヤがない | □ 筋肉がぴくぴくする |
□ 唇があれる | □ 筋のけいれん(こむら返り) |
□ 爪がもろい | □ 冷え症 |
□ 目がかすむ | □ 眠りが浅い |
□ 目が乾く | □ 抜け毛が多い |
□ 目がくらむ | □ めまい、立ちくらみ |
□ 頭がぼーとする | □ 疲れやすい |
□ ふらつく | □ 気力低下 |
□ 動悸 | □ 不安感がある |
□ むくみ | □ イライラ |
4つ以上当てはまれば「血虚タイプ」である可能性があります。
血は、身体を温めるエネルギー源のガソリンやオイルの役割です。ガソリン・エンジンオイル(血)が無ければ車(体)は動きません。エンジンがかかることで身体を動かし、気の働きを高め温めていきます。
おススメ漢方処方
〇イスクラ婦宝当帰膠 〇四物湯 〇十全大補湯
おススメ食材(食養生)
〇なつめ 〇鮭 〇枸杞の実 〇鶏肉 〇もち米 〇豆腐 〇キノコ類 〇黒砂糖 〇うなぎ
陽虚タイプ
体を温める気である陽気が不足しているタイプ。
高齢者や「腎」の衰えのある方が多いタイプで「腎陽虚タイプ」とも言います。
□ 頻尿 | □ 夜間尿 |
□ 腰痛 | □ 腰の冷え |
□ むくみ | □ 精力減退 |
□ 無月経 | □ 不妊 |
□ 耳鳴り | □ ふらつき |
おススメ漢方処方
〇イスクラ参茸補血丸 〇八味地黄丸 〇牛車腎気丸 〇イスクラ参馬補腎丸
おススメ食材(食養生)
〇シナモン 〇唐辛子 〇生姜 〇ニラ 〇ねぎ 〇エビ 〇グローブ 〇羊肉
瘀血タイプ
気血の滞りが起きているタイプです。冷えだけでなく様々な疾患の原因ともなりますのでしっかり養生しましょう。
□ 頭痛 | □ 耳鳴り |
□ ストレス過多 | □ 肩こり |
□ イライラしやすい | □ PMS |
□ 月経痛 | □ 関節痛 |
□ アザガできやすい | □ 冷えのぼせ |
□ 動悸 | □ 不整脈 |
おススメ漢方処方
〇イスクラ冠元顆粒 〇イスクラ逍遥丸 〇逍遥散 〇芎帰調血飲 〇桂枝茯苓丸
おススメ食材(食養生)
〇うこん 〇紅茶 〇玄米 〇そば 〇いわし 〇太刀魚 〇納豆
脾虚タイプ
胃腸虚弱タイプで、気血をうまく作れていないことが原因しています。貧血のため鉄剤を服用すると胃がすぐに調子が悪くなるタイプです。
□ 疲れやすい | □ 無気力 |
□ 食欲がない | □ お腹が張る |
□ 下痢しやすい | □ 顔色が悪い |
□ いつも眠い | □ 胃もたれしやすい |
□ 朝スッキリ起きれない | □ やせている |
おススメ漢方処方
〇補中益気湯 〇香砂六君子湯 〇加味平胃散 〇参苓白朮散
おススメ食材(食養生)
〇みょうが 〇サンザシ 〇しそ 〇ねぎ 〇生姜 〇ほうじ茶
冷えのタイプは、これら単独である場合もあれば複合して発生している場合もありますので、詳しくご自分の体質を知りたい場合にはお気軽にご相談ください。
また、漢方薬を服用の際には必ず専門家の指導のもとに使用するようにいたしましょう。
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