近年は、インターネットやSNS、AIの普及によって、健康に関する情報を簡単に調べられる時代になりました。
「この漢方薬が良かった」「○○に効いた」という体験談を目にする機会も増え、自分で漢方薬を選びたいと考える方も多くなっています。
もちろん、自分の身体や健康に関心を持ち、調べること自体はとても大切なことです。
当店でも、「自分で色々調べてみました」とお話される方は少なくありません。
ただ、漢方薬は「有名だから良い」「口コミが良かったから効く」という単純なものではなく、“今の自分の体質や状態に合っているか”がとても重要になります。
例えば、右利きの人に左利き用のグローブがしっくりこないように、漢方薬も体質に合っていなければ、期待した効果が得られない場合があります。
これは漢方薬だけではありません。
西洋薬でも、同じ病名で同じ薬を使っても、効果の出方や副作用には個人差があります。体格、胃腸の強さ、疲労度、ストレス状態、睡眠、冷えなどによって、身体の反応は変わるからです。
漢方では、病名だけではなく、
- 疲れやすいのか
- 冷えがあるのか
- 胃腸が弱いのか
- ストレスが強いのか
- 睡眠状態はどうか
- 気力や体力はどうか
など、「その人全体の状態」をみながら処方を考えていきます。
例えば同じ「不眠」でも、
- 神経が高ぶって眠れない方
- 疲れ切って眠れない方
- 胃腸の不調から眠れない方
- 血流低下や冷えが関係している方
では、選ぶ漢方薬は異なります。
そのため、誰かに合った漢方薬が、自分にも合うとは限りません。
AIやSNSの情報は、健康を考えるきっかけとしては非常に役立ちます。
しかし実際に服用する際には、「自分の身体に合っているか」という視点がとても大切になります。
漢方薬は、自然のものだから誰にでも同じように合うというものではなく、一人ひとりの体質や生活背景をみながら選ぶことで、本来の力を発揮しやすくなります。
だからこそ当店では、症状だけではなく、体質や生活状況、これまでの経過も含めてお話を伺いながら、今の身体に合った漢方薬を一緒に考えていきたいと思っています。

