「生薬って農薬が残っていないか心配…」
そんな声をいただくことがあります。
実は、漢方薬に使われる生薬は食品よりも厳しい基準で安全性が確かめられているのをご存じでしょうか?
ここでは、生薬がどのように輸入され、どんな検査を受けているのかを、わかりやすくご紹介します。
生薬は港で検査されます
漢方薬の原料となる生薬は、主に船で日本に入ってきます。
港に着くとすぐに検査が行われ、次のような点が確認されます。
- 農薬が残っていないか(残留農薬)
- 鉛やヒ素など体に害のある金属が混じっていないか(重金属)
- カビが生えて毒になっていないか(食中毒菌)
- 食中毒の原因になる菌がいないか(カビ毒)
もし国の基準に合わないものが見つかれば、その生薬はすべて返送され、日本に入ってくることはありません。
食品としての生薬と医薬品としての生薬の違い
輸入された生薬は、港での検査を受けます。ここでは、見た目の異常だけでなく、専門の試験機関によって以下のようなチェックが行われます。輸入の目的(食品か医薬品か)によって検査機関が分かれます。
同じ「生薬」でも、健康食品やサプリに使う場合と、医薬品(漢方薬)に使う場合では検査の厳しさが違います。
食品として輸入される場合
(例:健康食品、サプリメント原料、一般食品としてのハーブなど)
所 管:厚生労働省 検疫所(食品監視課)
検査内容:
- 残留農薬(ポジティブリスト制度に基づき約800種類)
- 重金属(鉛、カドミウムなど)
- 食中毒菌(大腸菌群、サルモネラなど)
- カビ毒(アフラトキシン等)
違反が見つかれば、そのロットは廃棄または積戻し(輸出国へ返送)となります。食品の場合は「食品衛生法」に基づく基準であり、安全性は確保されているものの、検査項目や頻度は医薬品より緩やかです。
医薬品原料として輸入される場合
(例:漢方薬の処方に用いる生薬)
所 管:厚生労働省(医薬品医療機器総合機構:PMDA)
必要書類:輸入届、製造所のGMP証明、試験成績書など
検査内容(日本薬局方に基づく):
- 残留農薬(有機リン系、カーバメート系、ピレスロイド系など数百項目)
- 重金属(水銀、鉛、ヒ素など)
- カビ毒(アフラトキシンB1 等)
- 二酸化硫黄(乾燥保存時の漂白防止剤)
- 微生物試験(一般生菌数、大腸菌群、サルモネラ等)
- 成分の同定・定量(薬効成分が規格通り含まれているか)
医薬品の場合は、港での検査に加え、製薬会社や卸業者が全ロットを自社試験または外部機関で再確認します。違反があれば一切流通できません。
食品と医薬品の違い
- 検査項目の数:医薬品の方が多く、より厳しい基準
- 検査の頻度:医薬品は全ロット確認、食品は抜き取り中心
- 目的:食品は「食べても健康を害さないこと」、医薬品は「有効成分の確実な効果と安全性の担保」
まとめ
食品としての生薬も検査は行われていますが、医薬品の原料として使われる生薬はさらに厳しい基準をクリアしなければ輸入できません。
そのため、漢方薬に使われる生薬は「自然の恵み」と「科学的な品質管理」の両方を備えた、安心できる素材なのです。
どうぞ安心して、漢方薬をご利用ください。
みなみ野漢方薬局では安全性が確認された生薬だけを扱っています。

