健康管理や病気の予防を考えるとき、私たちはさまざまな商品や薬の中から選ぶ必要があります。しかし、「医薬品」「漢方薬」「生薬」「健康食品」「特定保健用食品(トクホ)」「機能性表示食品」には、それぞれ役割や目的に違いがあります。ここではまず個別の特徴を整理し、その後に全体を比較します。
医薬品
- 厚生労働省が承認し、効果・効能が科学的に証明されているもの
- 医師の処方が必要な「医療用医薬品」と、薬局で買える「一般用医薬品」がある
- 明確に「治療」を目的とする
例:解熱鎮痛薬、抗生物質、処方箋による降圧薬など
漢方薬
- 医薬品として承認されており、複数の生薬を組み合わせた処方
- 体質や症状に合わせて用いることが基本
- 病気の治療だけでなく、体質改善や不調の根本的な改善にも使われる
例:葛根湯、小柴胡湯、加味逍遥散など
生薬(しょうやく)
- 漢方薬の原料となる天然の素材(植物・鉱物・動物など)
- 単独で使用する場合もあり、民間薬として利用されることもある
- 品質規格が定められており、安全性が管理されている
例:甘草、麻黄、桂皮、枇杷葉
民間薬
- 地域や家庭に伝わってきた経験的な薬草利用
- 科学的な効果が完全に証明されていなくても、生活の知恵として使われてきた
- 入浴剤やお茶、湿布など形はさまざま
例:ドクダミ茶、柿のへた(しゃっくり止め)、びわの葉風呂など
健康食品
- 病気の治療を目的とせず、栄養補助や健康維持を目的とする食品
- 効果の表示はできず、医薬品のように「治す」ものではない
- 日常の食生活に取り入れ、体調維持や栄養補給のサポートとして使う
例:マルチビタミン、青汁、プロテイン、EPA・DHAなど
特定保健用食品(トクホ)
- 消費者庁の審査を受け、科学的根拠に基づき「特定の保健効果」を表示できる食品
- 健康維持や特定の機能の改善をサポートする
- 国の許可マークがついており、信頼度が高い
例:血圧が高めの方に適したお茶、コレステロールを下げる乳製品
機能性表示食品
- 企業が自ら科学的根拠を示し、消費者庁に届け出て販売する食品
- 国の審査はなく、企業の責任で表示される
- 健康維持や生活習慣サポートを目的とする
例:DHA配合サプリ、記憶力サポート茶
| 区分 | 目的 | 効果・効能の表示 | 国の審査 | 例 |
|---|---|---|---|---|
| 医薬品 | 病気の治療 ・予防 | 可能 | 厚労省承認あり | 抗生物質、解熱鎮痛薬 |
| 漢方薬 | 体質改善 ・治療 | 可能 | 医薬品として承認あり | 葛根湯、桂枝茯苓丸 |
| 生薬 | 漢方の原料 | 限定的 | 一部あり | 甘草、麻黄、桂皮 |
| 健康食品 | 栄養補助 ・健康維持 | 不可 | なし | 青汁、マルチビタミン |
| 特定保健用食品 (トクホ) | 健康維持 ・特定機能改善 | 可能 | 消費者庁許可あり | コレステロール低下乳製品 |
| 機能性表示食品 | 健康維持 ・生活習慣サポート | 可能 | なし (企業責任) | DHA配合サプリ、睡眠サポート茶 |
| 民間薬 | 生活の知恵 ・体調サポート | 限定的 | なし | ドクダミ茶、柿のへた、びわの葉風呂 |
選び方のポイント
- 病気の治療や症状改善 → 医薬品・漢方薬
- 体質改善や栄養補助 → 健康食品・生薬・民間薬
- 科学的根拠の信頼度を重視 → 特定保健用食品(トクホ)
- 自分の体調や目的に合わせ、必要に応じて医師・薬剤師に相談する
健康食品・民間薬の利用で注意すべきこと
- 健康食品や民間薬はあくまで 健康維持や体調サポート が目的です。
- 病気の治療や症状改善を期待して、医療の代わりに使用することは非常に危険です。
- 適切な診断や治療が必要な症状を、自己判断で健康食品や民間薬で済ませてしまうと、症状が悪化する可能性があります。
- 特に、持病や服薬中の方は、健康食品やサプリを使用する前に 必ず医師・薬剤師に相談 してください。


