認知症予防というと、
「脳トレ」「パズル」「読書」「DHAサプリメント」など、
脳に刺激や栄養を“入れる”ことが注目されがちです。
もちろんそれらも大切です。
しかし近年の研究で分かってきたのは、
それと同じくらい重要なのが
脳に溜まった老廃物を“出す(排出する)”こと だということです。
どんなに新しい知識を入れても、
脳の中に老廃物が溜まり続けていれば、本来の働きは保てません。
そしてその排出に深く関わっているのが、
質の良い睡眠 なのです。
アミロイドβ(Aβ)という「脳の老廃物」
アルツハイマー型認知症の発症に関与するとされる
アミロイドβ(Aβ) は、
実は私たちの脳内で毎日自然に作られているタンパク質です。
問題は「作られること」ではなく、
排出されずに長年蓄積すること。
この蓄積が20年、30年とかけて進行し、
神経細胞の働きを妨げる可能性があると考えられています。
つまり、
認知症はある日突然始まるのではなく、
ずっと前から静かに準備が進んでいる可能性があるのです。
脳の掃除に深く関わる「睡眠」
私たちの脳には、
睡眠中に活発化するとされる
「グリンパティック系(脳内老廃物排出システム)」
という仕組みがあります。
特に、ノンレム睡眠の中でも深い
徐波(じょは)睡眠 の時間帯に、
- 脳細胞の間のスペースが広がり
- 脳脊髄液の循環が促され
- 老廃物の排出が進みやすくなる
と考えられています。
睡眠は単なる「休息」ではなく、
脳にとっては重要なメンテナンス時間なのです。
睡眠薬の睡眠と、自然な睡眠の違い
「睡眠薬で眠れば、同じ効果があるの?」
と聞かれることがあります。
睡眠薬は、つらい不眠を改善し、生活の質を守る大切な治療法です。
ただし一部の研究では、
薬の種類によっては深い徐波睡眠の出現が変化する可能性も示唆されています。
すべての睡眠薬が悪いということではありません。
大切なのは、
- 自然な睡眠リズムが保たれているか
- 深い眠りがきちんと取れているか
- 長期的に見て体の回復力が維持されているか
という視点です。
漢方で「眠れる体」を整える
漢方は、無理やり眠らせるのではなく、
「自然な眠気が訪れる体づくり」
を目指します。
中医学では、不眠の原因を
・気血不足
・瘀血
・肝鬱
・心脾両虚
・陰虚火旺
など体質やバランスの乱れとして捉えます。
体の土台が整うことで、
結果として
- 寝つきがよくなる
- 夜中に目が覚めにくくなる
- 朝のスッキリ感が出てくる
といった変化が現れることがあります。
睡眠薬は決して悪ではありません。
必要な方には大切な選択肢です。
しかし、
10年後、20年後の脳の健康を見据えるなら、
「脳が自力で整う力」を高めていくという視点も大切です。
20年後の自分を守るために
「最近、ぐっすり感が足りない」
「朝の頭のクリアさが違う気がする」
「将来、認知症が心配」
そんな方は、
まずは今の睡眠の質を見直すことから始めてみませんか?
漢方相談では、
あなたの眠りのタイプと体質を丁寧に紐解き、
無理のない改善方法をご提案します。
急がば回れ。
一生モノの脳の健康は、
今夜の眠りから始まります。


