甘草(かんぞう)は漢方薬の中でも非常に重要な生薬の一つであり、消化機能の改善、抗炎症作用、鎮咳作用など、さまざまな効果を持っています。そのため、多くの漢方薬に含まれ、体のバランスを整える役割を果たしています。また、甘草は甘味料として多くの加工食品・菓子類に使われています。しかし、一方で過剰摂取による偽アルドステロン症(むくみや高血圧、低カリウム血症など)が起こることがあるため、適切な服用管理と体調観察が大切です。
甘草ってどんな生薬?
甘草(学名: Glycyrrhiza uralensis Fisher 又は G. glabra Linne)は、マメ科の多年草で、古くから生薬や食品の甘味料として使用されてきました。その名の通り、「甘い草」として知られ、漢方薬の中でも特に使用頻度が高い生薬の一つです。
甘草の主な成分と作用
甘草にはさまざまな有効成分が含まれており、中でもショ糖のおよそ150倍の甘味を有するといわれているグリチルリチンが主要な成分として知られています。
甘草の主な効果
- 消炎・鎮痛作用:炎症を抑え、喉の痛みや胃の炎症(胃炎・胃潰瘍)を緩和します。
- 鎮咳・去痰作用:気道を広げ、咳を和らげる作用があり、呼吸器系の症状を改善します。
- 抗アレルギー作用:免疫調整作用があり、アレルギー症状の軽減に役立ちます。
- 胃腸機能の改善:胃の粘膜を保護し、消化機能をサポートします。
- 解毒作用:他の生薬の副作用を抑える「調和薬」としての役割も果たします。
偽アルドステロン症ってなに?
甘草に含まれる主要成分・グリチルリチン(グリチルリチン酸)は、腸内で分解されて吸収されると、体内の11β-HSD2(11β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素2)という酵素を阻害します。すると本来分解されるべきコルチゾールが残り、アルドステロン受容体を刺激。「むくみ・高血圧・低カリウム血症」など、アルドステロン過剰症と似た症状が起こる—これが「偽アルドステロン症」です。
こんな症状が出たら、要注意!
漢方薬や甘草含有の食品を服用中に、以下のような症状が現れたら、すぐに医師・薬剤師に相談を
どう対応すべき?
- 服用中の甘草含有製品(漢方薬、サプリ、市販薬、食品など)を確認
- 甘草を含むものは、一時的に中止して様子を見る
- 症状が続く場合は医療機関を受診
- 漢方薬は「なんとなく」飲み続けず、症状や体質に応じて用量を調整し、継続は医師・薬剤師と相談を
甘草の配合量と安全な目安量
- 一般的な漢方処方の甘草は1日あたり約2〜6 g。1 gあたり含まれるグリチルリチン酸は2〜8%ですが、厚労省通知では約40 mgとされています。
- グリチルリチン酸の1日摂取上限は200 mg以下。甘草としては約5.0 gが目安です。ただし、食品や飲料からの摂取も含めた総量管理が重要です。
普段どう注意すればいい?
- 加工食品やインスタント、リコリス茶、のど飴、甘草エキス入り健康食品などの常用は、知らず知らずに甘草過剰になりやすく要注意です。
- 長期連用を避け、服用前に体調・生活習慣を見直し、漢方薬局での相談を習慣づけましょう。
まとめ:正しく恐れ、正しく使う
甘草による偽アルドステロン症は、誰もが発症するわけではありませんが、用量や個人差、生活背景によってリスクがあります。
過度に恐れて敬遠するのではなく、症状を意識し、必要なときだけ、適切な量を、相談の上で使用する。これが、安全で効果的な漢方活用のコツです。
店舗情報
みなみ野漢方薬局
住所:東京都八王子市西片倉2-12-12
: 042-638-8860
定休日:水曜、第一日曜(年末年始の他臨時休業があります)
営業時間:午前10時~午後7時
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