花粉症に小青竜湯!タイプ別で選ぶ漢方対策

花粉症に小青竜湯!タイプ別で選ぶ漢方対策

春はもうすぐそこまで近づいてきていますね。早い方は1月の前半からスギ花粉による症状が起こり始めていますが、本格的な飛散時期もすぐそこまで来ています。

花粉症に対する漢方薬は、症状・体質に合わせて対症療法的に利用する漢方薬から体質改善としての漢方薬があります。ここでは対症療法としてよく使用されている「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」についてご紹介いたします。

ご自分の体質に小青竜湯が合うのか?合わないのか?チェックしてみましょう。
実際に服用する際には、必ず漢方の専門家にご相談ください。

小青竜湯の成分と働き

【成分】
麻黄、芍薬、乾姜、甘草、桂皮、細辛、五味子、半夏の8味
【効能効果】
(薬局製剤)
気管支炎、気管支喘息、鼻水、うすい水のような痰を伴う咳、鼻炎
(医療用漢方)
下記疾患における水様の痰、水様鼻汁、鼻閉、くしゃみ、喘鳴、咳嗽、流涙:気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、感冒
【働き】
止咳平喘剤という、咳嗽(咳)・呼吸困難を改善する処方のひとつで、体内の余分な水分を排出し、寒冷によるアレルギー症状を抑える働きがあります。特に、水っぽい鼻水やくしゃみが続く花粉症、気管支炎、喘息などの症状に適しています。

【セルフチェック】あなたに小青竜湯は合う?

水のような鼻水が止まらない
くしゃみが連発する
寒いと症状が悪化する
のどの渇きはあまりない
鼻づまりもあるが、鼻水はサラサラしている
体が冷えやすい

3つ以上当てはまる方は、小青竜湯が向いている可能性あり!

小青竜湯が合わないタイプとは?

黄色っぽい痰や鼻水が出る
乾いた咳が出る(痰が少ない)
舌の色が赤く、苔が黄色い
口が乾きやすく、冷たいものを欲しがる
顔がほてりやすい、のぼせる

夜間の発汗(寝汗)が多い
食欲があまりない、すぐお腹が張る
軟便や下痢になりやすい
むくみやすい

血圧が高い、動悸がしやすい
少し動くだけで疲れやすい
体力が極端に低下している

3つ以上当てはまる方や小青竜湯を服用して上記の症状があらわれた場合には服用を中止して、すぐにご相談ください。

【服用する前に】次の症状や疾患のある方へ!!

次にあげる症状・疾患のある方は服用前に医師、薬剤師に相談してください。

医師の治療を受けている人
妊婦又は妊娠していると思われる人
体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
胃腸の弱い人
発汗傾向の著しい人
今までに薬などにより発疹・発赤・かゆみ等を起こしたことがある人
次の症状のある人
 むくみ、排尿困難
次の診断を受けた人
 高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害

花粉症のタイプ別漢方薬の選び方

花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみですが、その症状の特徴は人それぞれです。その症状の違いによって使用する代表的な漢方薬をご紹介いたします。

花粉症のタイプ 漢方薬の例 特徴
水っぽい鼻水・くしゃみ・咳 小青竜湯 鼻水がサラサラで寒気がある人向け
水様性の鼻水・くしゃみ 苓甘姜味辛夏仁湯 発汗傾向・胃腸虚弱なタイプ
鼻づまり・黄色い粘着質の鼻水 辛夷清肺湯 炎症が強いタイプ
慢性鼻炎・肌荒れ・アレルギー体質 荊芥連翹湯 体質改善を重視

おすすめ健康茶

花粉による目のかゆみにおすすめなのが「菊花茶」(写真左)。
菊花は目の悩みに効果のある健康茶として有名です。
菊花を一つまみ急須に入れて、少し蒸らしてからお好みの濃さで服用してください。

写真右にある生薬は「枸杞子」。
菊花と枸杞は目に良い生薬として合わせて使う組み合わせです。ふやかした枸杞子を食べてもOK。


小青竜湯は、当店では花粉症の方に最も利用されている漢方処方ですが、症状によっては他の漢方薬の方が適している場合があります。また、小青竜湯と一緒に服用することで相乗効果を得られる漢方薬もありますので、漢方薬を服用の際には必ず相談してください。