春になるとスギ花粉が話題になりますが、実は秋にもブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの花粉が飛散し、同じように鼻水・くしゃみ・鼻づまりに悩む方が多く見られます。
さらに季節の変わり目には、寒暖差によるアレルギー性鼻炎(寒暖差アレルギー)も増えるため、年間を通して鼻のトラブルに悩む方が少なくありません。
こうした「水っぽい鼻水」「くしゃみ」「朝晩に悪化」「冷えると症状が強くなる」タイプに向くとされるのが、漢方処方の小青竜湯(しょうせいりゅうとう)です。
小青竜湯とは
小青竜湯は、
麻黄・芍薬・乾姜・甘草・桂皮・細辛・五味子・半夏
の8種類の生薬から成り、体内の余分な水分(湿)をさばき、冷えによる鼻水や咳を改善する働きがあります。
中医学では、「肺」と「腎」の働きが弱って体に“冷えと水”がたまると、鼻や気道に症状が出やすいと考えます。小青竜湯はそのバランスを整える代表的な処方です。
小青竜湯が合うタイプ
次の項目に多く当てはまる方は、小青竜湯が比較的合っている可能性があります。
このタイプは、花粉や寒暖差で「冷え+水分過多」が起こっている状態です。
小青竜湯が合わない・注意すべきタイプ
反対に、以下のような方は小青竜湯が合わない場合があります。
このような方には、体を冷やす方向に働く小青竜湯は逆効果になることもあります。このようなときは、体質や症状に合わせて別の処方(例:辛夷清肺湯・荊芥連翹湯・苓甘姜味辛夏仁湯など)を検討する必要があります。
花粉症・寒暖差アレルギーのタイプ別 漢方の選び方
| 症状・体質タイプ | おすすめの漢方処方 | 特徴・ポイント |
|---|---|---|
| 水様性の鼻水・くしゃみ中心 | 小青竜湯 | 冷え・水分過多タイプ |
| 胃腸が弱く、疲れやすい | 苓甘姜味辛夏仁湯 | 虚弱・むくみ傾向に |
| 鼻づまり・黄色い粘性鼻汁 | 辛夷清肺湯 | 熱・炎症が強いタイプ |
| 慢性鼻炎・アレルギー体質改善 | 荊芥連翹湯 | 体質から整えたい方に |
養生の工夫で効果アップ
漢方薬とあわせて、日常生活の中でできる予防・改善法も意識しましょう。
- 身体を冷やさない
首・足元・腰を温め、冷たい飲み物や甘いものの摂りすぎに注意。 - 水分バランスを整える
温かいお茶(ハトムギ茶や黒豆茶など)を適量に。 - 免疫を整える食養生
ネギ・しょうが・れんこん・大根などを上手に取り入れる。 - 花粉・寒暖差対策
マスクや眼鏡で防御し、外出後は衣服の花粉を払い落とす。
小青竜湯を使う前に
小青竜湯は、体質や症状に合えばとても効果的ですが、
体調や持病によっては合わない場合や、副作用のリスクもあります。
みなみ野漢方薬局では、体質や症状を丁寧にお伺いし、
小青竜湯が合うかどうか、また他の処方が適切かを見極めてご提案しています。
まとめ
花粉症や寒暖差アレルギーは、一年を通して起こりうる体のバランスの乱れです。
小青竜湯は「冷え」「水っぽい鼻水」「くしゃみ」が特徴のタイプに向きますが、
体質によっては他の漢方の方が効果的な場合もあります。
みなみ野漢方薬局では、あなたの体質を中医学の視点から分析し、
花粉や気候変化に負けない体づくりをサポートしています。

