庭や畑でよく見かける雑草「スベリヒユ(英語名:Purslane)」。漢方薬には使われないものの、「五行草」と呼ばれ、健康食品や食材として注目されています。ここでは、スベリヒユの特徴・栄養価・使い方・注意点を整理し、暮らしに取り入れるヒントをご紹介します。
スベリヒユとは何か
スベリヒユは、つる状〜地面を這うように広がる一年草で、葉・茎がぬめりを持ち、みずみずしい質感があります。8月頃に黄色い小さな花を咲かせ、一日花で午前中に開くものが多いです。花が終わると先端の鋭い円形の果実(蒴果)ができ、熟すと蓋が取れて種子が散らばります。
「スベリヒユ」は、茎葉を湯がくとぬめりが出て滑らかな食感になることからこの名がついたとされます。漢方では生薬名を 馬歯莧(ばしけん) といい、中国や東アジアでは「五行草(ごぎょうそう)」とも呼ばれ、葉・花・茎・根・種と五つの色を持つことからこの名前があると言われています。

栄養価と期待される健康効果
スベリヒユは「ただの雑草」ではなく、以下のような健康へのポテンシャルを持っています。
| 栄養成分・作用 | 内容 |
|---|---|
| 豊富なミネラル・オメガ3脂肪酸 | 鉄・カルシウムなどミネラルや、アルファ‐リノレン酸などを含む植物が報告されています(文献によって異なるため、摂取量に注意) |
| 抗菌・解毒・抗炎症作用 | 一部伝統的利用で、皮膚疾患への外用、炎症の軽減などに言及されることがあります。 |
| 利尿作用 | 全草を煎じて服用することで、体内の余分な水分排出を助け、むくみ対策として使われることがあります。 |
| 抗アレルギー作用 | アトピー性皮膚炎など、アレルギー性の症状との関係で、補助的な食材として期待されることがあります。 |
ただし、科学的研究(臨床試験など)で確立された効能は限られており、「補助的・食材としての利用」が中心である点は理解しておきたいところです。
食材・健康食品としての利用方法
- おひたし、和え物、汁の実など、ほうれん草やモロヘイヤのような感覚で使える。茹でてから使うとぬめり・苦味が抑えられます。
- サラダに生で少し加えることも可能ですが、苦みや酸味を感じることがあるため、他の食材と組み合わせて調整を。
- 粉末化されているものが市販されており、水やお茶に混ぜて飲む、サプリメント的に使うことができるものがあります。採取・乾燥・保存が手間に感じる方には特に便利。
注意すべきポイント
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| シュウ酸の含有 | スベリヒユには「シュウ酸」が含まれており、過剰摂取はカルシウム・鉄分の吸収を妨げたり、尿路結石のリスクを高めたりする可能性があります。特に腎臓に疾患がある方や結石の既往がある方は注意が必要。 |
| 調理法による影響 | シュウ酸のほとんどは水に溶けるため、生食よりも茹でたりゆでこぼしたりする調理法で軽減されます。また、カルシウムを含む食材と一緒にとることでシュウ酸と結合しやすく、過剰な吸収を防げます。 |
| 摂取量とバランス | どんな優れた食材でも、一種類に偏るのは望ましくありません。食事全体でバランスよく、野菜・魚・肉・穀物など多様な食品を組み合わせることが健康維持には大切です。 |
まとめ
スベリヒユは、以下のような方に試してみる価値がある食材です
- 普段から野菜不足を感じている方
- むくみがちで、利尿作用を望む方(ただし腎に問題がなければ)
- 抗炎症・解毒作用を自然に補いたいと考えている方
- 食材バリエーションを広げたい方
一方で、腎機能に不安がある方・結石の既往がある方や、特定の薬を使っていてミネラルのバランスに敏感な方は、医師・薬剤師と相談の上、少量から様子を見ながら取り入れるのがよいでしょう。

