「血が足りない」と聞くと、多くの方は
貧血(ヘモグロビンの数値) を思い浮かべるかもしれません。
しかし中医学でいう「血(けつ)」は、
単なる血液の量だけを指しているわけではありません。
女性の体調、月経、妊娠、出産、そして心の安定まで——
その土台を支えているのが「血」なのです。
中医学で考える「血」の役割
中医学では、血には大きく次のような働きがあると考えます。
① 体を滋養し、潤す
血は筋肉・皮膚・髪・爪・目などを養います。
血が充実していれば、体はしなやかに動き、乾燥もしにくくなります。
② 精神を安定させる
中医学では「血は心を養う」と考えます。
血が不足すると、不安感・イライラ・不眠など、
精神面の不調が現れやすくなります。
③ 女性のリズムを支える
月経、排卵、妊娠、出産、産後の回復。
これらはすべて「血」があってこそ成り立ちます。
血が不足すると起こりやすいサイン
血が不足した状態を「血虚(けっきょ)」といいます。
以下のような症状がある方は、血虚の傾向が考えられます。
- 月経量が少ない、色が薄い
- 月経周期が短い、または乱れやすい
- めまい、立ちくらみ
- 疲れやすい、顔色が悪い
- 髪が抜けやすい、爪が割れやすい
- 眠りが浅い、夢を多く見る
- 不安感が強い、気持ちが落ち着かない
「年齢のせい」「体質だから」と見過ごされやすい症状ですが、
中医学では重要な体からのサインと考えます。
なぜ女性は血が不足しやすいのか
女性は男性に比べ、血を消耗しやすい特徴があります。
- 毎月の月経による血の消耗
- 妊娠・出産による大量の血の使用
- 仕事・家事・育児による慢性的な疲労
- 無理なダイエットや食事量の不足
特に「忙しいのが当たり前」「我慢するのが当たり前」
そんな生活が続くと、血は知らないうちに不足していきます。
血は「作る力」と「巡らせる力」が大切
血は、ただ補えばよいものではありません。
- 血を作る力(脾・胃の働き)
- 血を巡らせる力(肝の働き)
この2つが整って、はじめて血は全身に行き渡ります。
そのため中医学では
「血を補う」
「巡りを良くする」
「消化吸収を整える」
といった視点を組み合わせて体を整えていきます。
漢方相談で大切にしていること
血の不足は、数値だけでは判断できません。
同じ「月経量が少ない」でも、原因や体質は人それぞれです。
当店では
- 月経の状態
- 日常の疲れ方
- 食事や睡眠
- 気分の変化
などを丁寧に伺いながら、
その方に合った整え方を一緒に考えていきます。
第4弾は
「血を巡らせる要となる『肝』の働き」
について
・「女子以肝為本」とはどういう意味なのか。
・なぜストレスが月経や体調に影響するのか。
中医学の視点から、わかりやすく解説します。

