皮膚病・アトピーの食事

皮膚病・アトピーの食事

アトピー性皮膚炎・脂漏性湿疹・掌蹠膿疱症・尋常性乾癬・吹出物・蕁麻疹など様々な皮膚疾患の発症には、心の持ち方・食事のバランス・運動・休息・生活環境などが複雑に絡み合って影響していると考えられています。

その中でも、日本の食文化の変化から見ても、食事のバランスというのが皮膚病の発症に大きな影響を与えていると言われています。

皮膚病のご相談で多く尋ねられる食事についてご紹介いたします。

日本の食文化の変化

日本人の食文化は戦後大きく変化しました。

戦前は動物性タンパク質や脂質の摂取量が少なかった食習慣でしたが、戦後、総エネルギー摂取量、肉食、油、砂糖の消費量が急激に増加しています。

俗に食の欧米化

急激な食事文化の変化に、日本人の消化器官(体質)が慣れていないためその影響としてアトピー性皮膚炎をはじめとする様々な皮膚疾患があらわれていると考えられています。

皮膚病でお悩みの方は、まずは食事の内容を見直し、日本の伝統食「和食」を中心にバランスの良い食事の献立を考えてみましょう。

皮膚病におススメの食材

・〇〇が良い
・〇〇で血糖値が下がった
・〇〇に△△を加えるだけで血圧が安定
・〇〇先生(医師)がすすめる〇〇

など、TVや雑誌、インターネットでこのような宣伝文句を見かけます。

信用していないわけではありませんし、非難するつもりもありませんが、私は特定の食材を食べたからと言って病気が治るほど人間の体は単純でないことは知っています。

逆に、治療目的として特定の食材ばかりを摂取し続けることで、今度はその食材が原因としてアレルギーを起こしてしまうこともあります。

その為、TVやインターネットの情報は養生意識を高めるための啓発であり、養生するきっかけとして、見ていただくのが良いのではないかと考えています。

皮膚病におススメの食材は・・・・・・

日本の風土、気候で育った季節の食材は身体に負担なく、受け入れるものが多いため、お勧めなのは「季節に合った、住んでいる地域で採れる食材」です。

食材検索おススメサイト
旬の食材カレンダー:https://k52.org/syokuzai/(運営:株式会社クリエ14様)

食事のとり方

食事は「腹八分目」と聞いたことがありますでしょうか。

食の欧米化が疾患の一因であると言われますが、過食や偏食も病気の一因であると考えられています。

その過食のコントロール方法として「腹八分目」が推奨されています。

腹八分目は、何気なく食べていてこの辺でいいかなというのはとても難しいので、腹八分目にする方法をご紹介します。

まず、日本料理の基本は、”一汁三菜”

初めに「汁」味噌汁や野菜スープなどを150~200cc先にとる、その後他の食材を、まんべんなくゆっくり、よく噛んで食べる。

そうすると、満腹感を味わうことができ過食を防ぐことができるのです。

また、大皿に料理をのせてしまうとどれだけ摂取しているかわからなくなりますので、一人分ずつ小皿に盛り付けて食べるようにいたしましょう。

アレルゲンとなる食材

牛乳、小麦、大豆など様々な食材がアレルゲンとなって皮膚病を悪化させる「食物アレルギー」。

乳幼児では約3割がアトピー性皮膚炎と食物アレルギーを合併しているとされています。

アレルゲンが明確な食材は除去する必要がありますが、少し食べてかゆみが増した、赤みがひどくなったといって除去し続けていると食べる食材が限られてしまい、子供の場合には除去することで発育に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。

アレルゲンとなる食材のコントロールは、主治医に相談して指導を仰ぐようにしましょう。

食べたら出す

食事の内容や食べ方が良くなると、多くの方が便通が良くなります。

中医学では、皮膚は「五臓の肺」と関係が深く、「肺」は「大腸」とつながりがありますので、「大腸」の働きを整えることも皮膚を改善するために必要です。


食事の養生は、毎日摂取するものなのでとても大切です。いきなり大きく変化させるのではなく、少しづつ取り入れて良い習慣を無意識にできるように続けてみましょう。