皮膚トラブルを体質から整える 食養生ガイド

薬膳・養生

皮膚症状(アトピー・湿疹・ニキビ・掌蹠膿疱症・乾癬・蕁麻疹等)は、外用ケアだけで改善しにくいことが多く、食事・睡眠・運動・ストレスなど生活全体の影響を受けます。食のバランスを整え、体質を改善することは、肌の根本治療につながります。

特に戦後からの「食の欧米化」により、日本人の消化器官は大きな変化に対応しきれず、
皮膚病の原因の一つになっていると考えられます。
漢方の視点では、体質や内なるバランスを整える食養生こそが鍵です。

食養生の基本方針

  1. 和食中心のバランスを基本にする(旬・地場の食材を活用)。
  2. 腹八分目を心がけ、消化器への負担を軽減する。
  3. 一汁三菜の構成を意識し、まず汁物(150〜200ml程度)を先に摂る。
  4. 便通を整える(野菜・食物繊維・水分・温かい汁物、適度な運動)。
  5. アレルゲンは医師と相談のうえ慎重に除去(特に乳幼児)。
  6. 特定食材だけに頼らず、全体の食事パターンを整えることが重要。

日本人らしい「和の食習慣」に立ち返る

昔ながらの和食は、動物脂・砂糖・油の摂取が控えめで、消化によく、季節の旬の食材を使った優しい食文化です。
まずは日本の季節に合った地元の食材で献立を構成し、体に負担の少ない食生活への回帰をおすすめします。

食材検索おススメサイト
旬の食材カレンダー:https://k52.org/syokuzai/(運営:株式会社クリエ14様)

具体的な実践ポイント(毎日の工夫)

  • 朝:ぬるめの白湯や味噌汁で内臓を温める。
  • 主菜:魚・豆類・良質なたんぱくを中心に。
  • 副菜:旬の野菜を複数取り入れる(色の異なる野菜を組合せる)。
  • 間食:加工食品・菓子の過剰摂取を控える。どうしてもなら小さな量で。
  • 飲水:日中にこまめに水分補給を。夜遅い過剰摂取は避ける。
  • 調理法:揚げ物や脂多めは控え、蒸し物・煮物・和え物中心に。
  • 食べ方:よく噛む(目安:1口20〜30回)・ゆっくり食べる。

便通ケアのすすめ(肌との関係)

中医学では「皮膚=肺」・「肺は大腸と関連する」とされます。便通を整えることで体内の不要物の排出が促され、肌の改善に寄与します。

  • 毎朝の活動(軽い運動やストレッチ)を推奨。
  • 食物繊維(海藻・根菜・きのこ・果物)を日常的に摂取。
  • 必要時は当薬局の相談で漢方的便通調整(安全に配慮)をご提案します。

アレルギー食材の扱い方(注意点)

  • 自己判断での過度な除去は栄養不足や成長への影響を招くことがあります。
  • 乳幼児や子どもで疑いがある場合は、まず医師や専門医の検査を受けることを推奨します。
  • 除去は「短期間+医師の指示+栄養補完」を基本に実施します。

食養生チェックリスト(セルフチェック)

□ 一汁三菜を意識している
□ 毎回、汁物から食べている
□ 腹八分目を守れている
□ 1日1回は旬の野菜を複数食べている
□ 加工食品・菓子の摂取が多すぎない
□ 便通が安定している(週3回以上)

まとめ

食養生は毎日続く生活習慣の一部です。いきなり大きな変化を求めるのではなく、以下のステップから無理なく始めてみましょう

  1. 和食中心のバランスの良い献立に切り替える
  2. 腹八分目の習慣を身につける
  3. アレルギー疑いのある食材は医師と相談しながら慎重に扱う
  4. 野菜、スープ、水分で便通ケアを心がける

肌のトラブルは「出ている場所」ではなく「体の内側のサイン」です。無理な制限や流行の食事法に頼るのではなく、毎日の食事の質を整え、便通・睡眠・運動を整えることが根本改善につながります。まずはお気軽にご相談ください。

相談予約・店舗案内

みなみ野漢方薬局
〒192-0917 東京都八王子市西片倉2-12-12
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管理薬剤師:松田哲男
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