冷えを整えて妊娠力を高める — 漢方で体を温め、妊活をサポート —

婦人病・不妊相談

不妊で悩まれる方の多くは、手足の冷えだけでなく、骨盤内の冷えを自覚していないケースもあります。
実は、この骨盤・子宮周辺の冷えこそが、妊娠力に大きく影響を及ぼす要因になり得るのです。

冷えによる血流低下は、子宮や卵巣への酸素・栄養・ホルモン供給を妨げ、
卵子の質低下・子宮内膜の機能不良・着床障害・流産リスク上昇などにつながる可能性があります。

冷えがもたらすリスク:妊娠における主な悪影響

部位影響内容
卵巣卵子の質の低下血流が滞ると、卵母細胞に十分な栄養や酸素が届かず、成熟や受精能力が低下する可能性があります。
子宮内膜機能の低下子宮内膜が十分に厚く育たず、着床しやすい状態を維持できなくなることがあります。
着床・持続着床障害・流産子宮内膜が十分な支持力を持たない、あるいは血流が安定しないことで流産リスクが高まる可能性があります。

たとえ検査で異常が見つからなくても、「冷え」が体の隅々に影響を及ぼしうるという視点は見逃せません。

こんな状態があれば、骨盤・子宮の冷えが疑われる

以下のような特徴がある方は、骨盤や子宮周辺の冷えや血行不良が関係している可能性があります。

  • 腰・お尻・下腹部あたりが冷える、スースー感じる
  • 太ももの内側、足の付け根あたりが冷たい
  • 基礎体温の低温期が 36.0 ℃以下
  • 高温期が短い、または高温期の体温上昇が弱い
  • 月経時に温めると楽になる・月経血が黒っぽく塊が混じる
  • 足腰が冷たく、むくみ・疲労感を感じやすい

このような症状があれば、体の「温め」「血流改善」が妊活における大きな鍵になると言えます。

日常生活でできる冷え対策

冷えを放置すると、慢性的な血行不良を招くため、妊活中は以下のような生活習慣を意識したいところです。

衣食住・生活スタイルの見直し

  • 衣服:重ね着・腹巻・温かい素材の下着を使う
  • 飲食:冷たい飲食物(冷たい飲み物・アイスなど)を控える
  • 禁煙:タバコは血管収縮を促し、血流に悪影響
  • 糖質・甘いもの:過度な甘味は体を冷やす傾向があるため適量に
  • 運動・筋力:ウォーキング・ストレッチ・筋トレなどで血流を促す
  • 入浴・温活:ぬるめのお湯でゆったり全身を温める

食事で血を補い、巡りをよくする

漢方的な観点では「血(けつ)」を補い、巡らせる食材が冷え対策・妊活補助に有効です。
例えばラム肉/レバー/鶏肉/ほうれん草/にんじん/かぼちゃ/黒豆/干しブドウ/にんにく/にら など
毎日の献立に少しずつ取り入れるよう意識してみてください。

漢方でのサポート:冷え・血行不良を整える処方

中医学では、冷えや血流低下を以下のような病理概念でとらえ、体質にあわせた処方を行います。

  • 血虚(けっきょ):血の不足 → 栄養供給が足りず、体が虚弱・末端冷えなど
  • 瘀血(おけつ):血の滞り → 血流の流れが滞り、冷え・痛み・瘀(かたまり)など
  • 腎虚(じんきょ):生命力・精気の不足 → 加齢・ストレス・過労などで冷え体質が強まる

これらを踏まえて、以下は冷え対策・妊活支援として用いられやすい漢方処方例です

※ただし、処方は体質・月経状態・年齢・体調によって最適なものを選ぶ必要があります。自己判断で使わず、漢方相談のもと処方を受けることをおすすめします。

男性も冷え対策を忘れずに

冷えは女性だけでなく、男性にも影響を与えます。
特に精子数・運動性・精子の質に、体温・血流・代謝状態が関係するため、男性も冷え対策を行うことが望ましいです。

筋肉量が比較的多いので、冷えを自覚しにくい男性もいますが、配偶者と一緒に温める工夫を取り入れてもらうのもよいでしょう。

まとめ:冷えは妊活の大きな壁。漢方と生活改善で乗り越えよう

冷えは目に見えない慢性的な障害となり、妊娠力を長期的に下げるリスク要因です。
しかし、日々の生活改善(衣食住・運動など)と、漢方による体質整備を組み合わせることで、体の基礎力を上げ、妊活を支える力を育てることができます。

当店では、一人ひとりの体質と状態を丁寧に見極め、最適な漢方処方・養生プランをご提案いたします。
“冷えを整えて、妊娠力を育む” — その道を一緒に歩んでまいりましょう。

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